【マッチレビュー】プレミアリーグ第9節 アーセナルvsトッテナム 【North London is Red】

アーセナルの試合を毎節レビュー

当記事をお読みいただきありがとうございます。

このブログでは、
ヴェンゲル政権末期からのグーナーが、
プレミアリーグでのアーセナルの試合結果を
毎節レビューしていきます。

忙しくてなかなか試合をフルで観られない人でも、
この記事を読むだけでアーセナルを中心に
プレミアリーグのトピックスがフォローできますので、
ぜひご一読ください。

今回の試合は、
2022-23シーズン・プレミアリーグ第9節、
アーセナル vs トッテナムです。

まずは試合結果からです。

3-1の完勝

スタメン・試合結果詳細は以下リンクから。

Read about Arsenal v Tottenham Hotspur in the Premier League…

ここまで首位を走ってきたアーセナルが迎えるのは、
最大のライバル、トッテナム・ホットスパー(以下スパーズ)。

コンテが率いるスパーズはここまで無敗で、
アーセナルとの勝ち点差は1ポイント。

負ければ首位陥落の、
あまりに重要なノース・ロンドン・ダービーが
いよいよ始まります。

アーセナルのスタメンは、
ジンチェンコが復帰してのベストメンバーです。

一方のスパーズはFWクルゼフスキが代表で負傷し、
ブラジル代表のリシャルリソンがスタメンに起用されています。

前半

自陣に籠って守備を固めるスパーズに対して、
ボールを持つアーセナルは支配的に試合を進め、
開始早々にマルティネッリがチャンスに絡む活躍を見せます。

14分にはリシャルリソンにシュートを撃たれる場面があるも、
ラムズデールの好セーブで事なきを得ました。

試合が動いたのは開始20分。

深い位置で守るスパーズに対し、
右サイドでサカ→ホワイトとボールをつなぎ、
バイタルエリアでフリーになっていたトーマスへ。

トーマスが右足ダイレクトで合わせたボールがゴールの右上隅に突き刺さり、
アーセナルは早い時間に先制点を挙げることに成功しました。

しかし、29分、スパーズはソンフンミンのスピードが光るカウンターから、
リシャルリソンがエリア内に侵入。

リシャルリソンのクロスのこぼれ球をジャカがトラップしたところ、
それに反応したリシャルリソンにマガリャンイスが足を出し、相手を倒してしまいこれがPKの判定。

PKはハリー・ケインが真ん中にしっかりと決めて、
試合は1-1の同点となります。

その後、ジェズスの仕掛けなどでチャンスを作ったアーセナルですが、
得点は奪えず1-1で後半へと折り返します。

後半

ハーフタイムでの選手交代はなく、
いよいよ後半が始まります。

すると49分、
右サイドで仕掛けたサカが強烈なシュートを放つと、
スパーズのGKロリスが一度は止めたものの、
そのこぼれ球の処理をロリスが誤ったところをジェズスは見逃しませんでした。

抜け目なくボールに詰めたジェズスが
アーセナルに貴重なリードをもたらし、
試合は2-1となります。

試合を優勢に進めるアーセナルですが、
62分にはスパーズのエメルソン・ロイヤルが
マルティネッリへのファールで一発レッド。

10人となったスパーズに対して、
アーセナルは67分に決定的な3点目を挙げます。

左サイドからドリブルで仕掛けてボックス中央まで来たマルティネッリから、
入れ替わったジャカがそのままエリア内に侵入し、
冷静に左足を振りぬいてのゴールでした。

エミレーツを揺らした一発の直後、
スパーズは一気に4人の選手交代を実行しますが、
アーセナルは動揺することなくスパーズを封じ込めていきます。

試合の最終盤、89分には冨安が投入され、
アーセナルはそのまま試合を締めくくって
3-1の勝利をつかみました。

試合のトピックス・注目ポイント

North London is Red ―アーセナルの強さは「本物」だ

North London is Red.

この試合で、アーセナルは「本物」の強さを示しました。

ここからはアーセナルの強さの要因についてみていきます。

恐怖の4人組

まず特筆すべきは、
スパーズの堅固な守備を攻略したFW陣。

なかでも2点目を決めたガブリエル・ジェズスはこの試合も出色の出来でした。

常にゴールを伺うジェズスの貪欲さは80分間スパーズDFの脅威となっていましたし、
守備の起点となるプレッシングでもチームに貢献していました。

彼の獲得はアーセナルにとって本当に最高の決断だったと、
この試合のパフォーマンスを見て改めて実感させられます。

また、サカ、マルティネッリの両ウィングが仕掛けるドリブルにも、
スパーズの守備陣はかなり手を焼いていましたね。

サカ、ジェズス、マルティネッリの3人、
そしてウーデゴールを加えたカルテットは
現在のプレミアリーグで最強のユニット
といってもいいかもしれません。

この試合でゴールを決めたジェズスが5G3A、
マルティネッリが3G1A、ウーデゴールが3A、
サカが1G4Aと、

チームが全体で流動的に攻撃に関与できているのが
本当に素晴らしいと思います。

メディアがBBC、MSNといったユニット名をつける日も近いでしょう。

Mirror誌の記事では
「Fearsome foursome」(恐怖の4人組)
と呼ばれていましたが、
果たしてなんていうユニット名が付くことでしょうか。

ここで決めるかトーマス砲

アーセナルの勝利を大きく引き寄せたのは、
間違いなく開始20分のトーマス・パーティのミドルシュート。

スパーズは低い位置で徹底的に守ってカウンターを狙っていましたが、
その戦術の泣き所の1つが精度の高いミドルシュートでしたので、
トーマスのゴールはまさにスパーズの目論見を砕く一発でした。

あそこにスペースが生まれるまで相手を押し込んだ、
アーセナルの攻撃陣が素晴らしかったです。

スパーズは今回のようなミドルシュートを撃たせないために、
バイタルエリアをもっと慎重にケアすべきだったとも言えます。

また、これまでの試合でトーマスは
たびたび無辺世界にシュートを放ってきましたが、
ノース・ロンドン・ダービーという大舞台でついに決めてくれました。

アーセナルサポも、
これまでの空砲がこの場面で結実した嬉しさを噛み締めているのではないでしょうか?

トーマスは守備面でもチームに貢献していましたし、
本当に代えが効かない選手であることを示し続けています。

今後もアーセナルは今回のスパーズのような守備的戦術をとってくる下位チームに勝利する必要がありますので、
ミドルシュートという武器も兼ね備えているトーマスの存在がより一層重要になった試合といえます。

MOMとなったジャカの「再生」

この試合のマンオブザマッチ(MOM)に選出されたグラニト・ジャカ。

勝利を決定づける3点目となった彼のゴールにエミレーツは大いに沸きました。

ジャカはゴール以外にも試合を通じてジェズスやマルティネッリに良いボールを供給しており、
スパーズDFの攻略に大いに貢献しました。

今シーズンのジャカが発揮している攻撃面でのクリエイティビティの高さは、
本当に特筆すべきものがあります。

ジャカがここまでに残している2G3Aという結果が何よりも雄弁でしょう。

これまで試合を破壊するレッドカードでファンから批判され続けてきた男が、
今シーズンはもっともファンから愛される男になった。

そんなジャカの「再生」の物語は、
まさに1つのチームを応援し続ける楽しみであり、
それはフットボールの醍醐味だと私は感じています。

彼がどこまでチームを引っ張ってくれるのか、
今後も非常に楽しみな時間が続きますね。

サリバのハイパフォーマンスとやや心配なマガリャンイス

この試合でも圧巻のパフォーマンスを示したCBのウィリアン・サリバ。

マルセイユでの武者修行から戻った21歳のサリバは、
いまや完全にアーセナルの守備の要となっています。

ここまでの活躍はシーズン前にはちょっと想像できなかったですね。

プレミアリーグのトップCBといっても過言ではない領域にサリバは来ていると思います。

その一方で少し心配なのがマガリャンイス。

基本的には堅実な守備を見せてくれる選手ですが、
今シーズンは失点に直結するような軽率なミスが散見されます。

この試合でPK判定となったリシャルリソンへのファールも、
批判を免れない軽率なプレーでした。

彼も24歳とまだまだ発展途上にある選手なので、
アルテタはじめコーチ陣がうまくメンタルケアをしてほしいですね。

現在の立ち位置と次の試合

さて、憎きスパーズに最高のパフォーマンスで勝利したアーセナルは、
当然首位をキープしています。

この記事を書いているタイミングではすでにELのBodø/Glimt戦も行われ、
ホームで3-0と確実な勝利を収めて調子は引き続き上々。

一方で、シティはユナイテッドに6-3、
サウサンプトンに4-0と、
ハーランド無双で無敗を維持してアーセナルを追っています。

スパーズもブライトンに0-1とアウェーでの勝利を収めており、
リーグ戦はまったく予断を許さない状況です。

そんなアーセナルは今夜、ホームにリバプールを迎えます。

リバプールはここまで2勝4分け1敗と非常に苦しいシーズン序盤。

新加入の大型FWヌニェスがチームにフィットしきっておらず、
チームとしてもかなり調子を落としている状況です。

アーセナルはこれまでクロップ率いるリバプールの後塵を拝してきましたが、
今のアーセナルであればリバプール相手に臆せず戦える、
そんな確信があります。

これまで高い壁として立ちはだかってきたリバプールを超えることができるのか、
アーセナルにとって力を示す最大の好機です。

どのような試合が待っているのか、非常に楽しみです。

アーセナルファンにおすすめの書籍

現在のアーセナルの土台を築いた、
アーセン・ヴェンゲル。

彼の功績を知ることで、
アルテタ監督が率いる今のアーセナルを
もっと深く理解することができます。

アーセナルファンなら必読ともいえる書籍をご紹介しますので、
興味がある方はぜひ以下リンクより手に取ってみてください。

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