アーセナルの試合を毎節レビュー
当記事をお読みいただきありがとうございます。
このブログでは、
ヴェンゲル政権末期からのグーナーが、
プレミアリーグでのアーセナルの試合結果を
毎節レビューしていきます。
忙しくてなかなか試合をフルで観られない人でも、
この記事を読むだけで
アーセナルのトピックスがフォローできますので、
ぜひご一読ください。
今回の試合は、
2022－23シーズン・プレミアリーグ第12節延期分、
アーセナルvsマンチェスター・シティです。
試合結果
スタメン・試合結果詳細は以下リンクから。
Read about Arsenal v Man City in the Premier League 2022/23 …
アーセナルは欠場のトーマスに代わって、
ジョルジーニョがスタメンに名を連ねます。
右サイドバックには冨安がスタメン起用されました。
シティは前節からラポルテに代わりアケが入ります。
前半
前半のアーセナルは、
ボールを保持してゲームの主導権を握ることに成功します。
前半のポゼッション率は60％という結果で、
シティ相手に真正面から
アーセナルのスタイルを貫く戦いになりました。
一方のシティは前からのプレスで高い位置でのボール奪取と
ショートカウンターを狙います。
また、強靭なターゲットであるハーランドへの放り込みも１つの狙いで、
サリバｖｓハーランドの白熱のマッチアップが展開されました。
試合が動いたのは24分、
ハーランドとサリバが競り合ってこぼれたボールを、
冨安が拾ってラムズデールに繋ごうとしたバックパスでした。
グリーリッシュに詰められながらの難しい態勢からのパスがやや甘くなり、
そこを抜け目なくデブライネが左足ダイレクトで合わせて、
シティが先制点を挙げます。
ミスからの失点後もアーセナルがボールを握る構図は変わらず、
シティのゴールに迫るプレーを見せます。
39分、ジャカからの浮き球に走りこんだエンケティアを、
GKエデルソンが倒したとの判定で、
アーセナルはPKを獲得しました。
PKのキッカーはサカ。
ゴール右隅を指さして揺さぶりをかけるエデルソンに、
サカは堂々とゴール右隅に蹴りこんで、
１－１の同点へと持ち込むことに成功しました。
シティと正面から渡り合ったアーセナルは、
ポジティブなムードのまま後半を迎えます。
後半
前半サリバに抑えられていたハーランドは、
後半はマガリャンイスを相手に仕掛けていきます。
56分には裏に抜けようとするハーランドを
マガリャンイスが倒してしまい、
あわやPKかという場面も。
VAR判定の結果はオフサイドとなったものの、
ノルウェー代表FWの脅威をまざまざと見せつけられます。
シティが61分にマフレズに代えてアカンジを投入すると、
右WGにベルナルド・シウバがポジションチェンジ。
72分、右サイドでボールを拾ったベルナルドから、
ハーランドが背後に走りこんで、
さらにパスを受けたギュンドアンがフリック、
大外からフリーのグリーリッシュが右足で合わせて、
シティが1－2となる勝ち越し弾を決めました。
さらに82分、アーセナルからボールを奪ったシティは、
ギュンドアンからエリア内のデブライネと繋いで、
最後はハーランドが右足でネットを揺らして１－３。
終盤に突き放されたアーセナルは、
そのまま１－３で敗戦。
プレミアリーグのリーグタイトルを巡る大一番は、
アーセナルにとって非常に苦い結果となりました。
試合のトピックス・注目ポイント
トピック① 大舞台での経験の差
前半のアーセナルは、
トーマスとジェズスが不在の状況で、
シティを相手に自分たちのスタイルで
真向から戦える強さを見せました。
ジョルジーニョの適応力の高さも含め、
トーマス不在でもここまでできるというのは、
非常に大きな収穫でした。
また、冨安のミスから先制を許す苦しい展開にあって、
ピッチ内ではウーデゴールやジンチェンコが、
スタンドからはサポーターたちが彼のチャントを歌って、
冨安をサポートする団結力を感じさせた場面も印象的です。
しかし後半に入って、
ペップが修正を施したシティに対して
アーセナルは徐々にペースを失っていきます。
いつものアーセナルではあまり見られないようなミスも多く、
また決めるべきチャンスも決めきることができませんでした。
一方のシティは相手の弱点を狙う柔軟性と、
試合ペースのコントロールといった部分で、
試合巧者ぶりを感じさせました。
成熟されたチームであるシティと、
これからチームとしての完成を迎えていく途上のアーセナルと、
こうしたタイトルがかかる大一番でこそ、
経験の差が大きく出てしまった、そんな印象です。
厳しい戦いの積み重ねてきたシティとの差は、
そう簡単に埋まるものではないという、
トップオブトップを争う難しさを感じさせる試合になりました。
経験の差をひっくり返せるような、
チームとしての勢いがここ最近のアーセナルになかったのも、
この結果につながったのかもしれません。
この壁を超えるためのチャンスがまだ1試合、
エティハドでの戦いが待っていますので、
ここからのアーセナルの歩みが注視されます。
トピック② ジョルジーニョの存在とトーマスの不在
いい意味でのサプライズとなったのが、
アーセナルでの初スタメンとなったジョルジーニョ。
広い視野と高いパスセンスで、
ビルドアップやチャンスメイクの場面で
違いを見せつけました。
ビルドアップの際には冨安にポジショニングの指示を出すなど、
司令塔としての存在感が光ります。
また、度々良いインターセプトも見せていて、
予測力の高さを感じさせる場面も多かったです。
ベテラン選手としての経験値、
大一番での冷静さも、
彼がチームにもたらしている
ポジティブな要素に挙げられます。
トーマスが欠場している今、
もしジョルジーニョを冬に獲得していなかったら？
カイセドなど守備的MFが取れなかった代替プランとして、
冬のマーケットで彼を獲得できたのは、
チームにとって本当に大きい価値をもたらすものでした。
一方で守備面を見ると、
トーマスがこの試合にいれば…と感じる場面も多々ありました。
ジョルジーニョに彼ほどの守備を期待するのは酷で、
トーマスのバックアップができる選手の獲得は、
引き続きチームにとっての大きな課題です。
トピック③ 厳しさを増したリーグ戦
シティに敗れたアーセナルは、
8月から守ってきた首位の座を明け渡しました。
1試合少ない状態ではありますが、
勝ち点は同じく51、
GDの差でシティが首位につけています。
シティとの勝ち点差がほぼなくなったことで、
リーグ戦はどの試合でも勝ち点を落とせない、
より一層厳しいものになりました。
この試合結果を受けて、
『Five Thirty Eight』の算出する優勝確率が、
シティ優勝62％、アーセナル34％と、
形勢が一気に逆転したことも話題になりました。
この予想ではアーセナルのCL権出場はほぼ堅い見込みで、
アーセナルのシーズン当初の目的達成はほぼ手中にある、
そんな考え方もできるように思いますが、
優勝のチャンスをぜひ追い求めてほしい気持ちもあります。
試合後にティエリ・アンリもコメントしていましたが、
この敗戦ですべてを失ったわけではなく、
ここからの戦いに向けて立ち上がることが、
今のアーセナルにとって必要なのは間違いありません。
まずは週末のアストンヴィラ戦が
アーセナルにとって重要な試合になります。
現在の立ち位置と次の試合（日本時間）
プレミアリーグの順位
アーセナルは2位に後退。
ただし、まだ16試合も残っていることを考えると、
アンリのコメントの通り、
この敗戦ですべてが決まってしまったわけではありません。
目の前の試合に１つ１つ勝利していく、
切り替えと継続力がアーセナルに求められていきます。
プレミアリーグ第24節 アストンヴィラｖｓアーセナル【2月18日（土）21:30 KO】
アストンヴィラの監督はウナイ・エメリ。
ワトキンスやコウチーニョなど、
曲者も多い侮れないチームです。
シティ戦での敗戦を受けて、
ここで悪い流れを断ち切ることができるのか、
今後のリーグ戦の動向にも影響する一戦になります。
プレミアリーグ第24節 レスターｖｓアーセナル【2月26日（日）0:00 KO】
アストンヴィラ戦の次に待っているのが、
今季あまり振るわない結果になっているレスター。
ですが直近ではヴィラ、スパーズに4点ずつ取って勝利するなど、
攻撃面での好調さを伺わせます。
2月19日にはマンチェスター・ユナイテッドとの試合が控えていますが、
ここでレスターが勝利するようだと、
アーセナルはより警戒感をもって試合に臨む必要がありそうです。
また、引き続きアーセナル移籍のうわさがささやかれる、
MFティーレマンスのパフォーマンスにも注目ですね。
アーセナルファンにおすすめの書籍
現在のアーセナルの土台を築いた、
アーセン・ヴェンゲル。
彼の功績を知ることで、
アルテタ監督が率いる今のアーセナルを
もっと深く理解することができます。
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プレミアリーグ第23節の結果はこちら
目次 1 アーセナルの試合を毎節レビュー2 試合結果2.1 前半2.2 後半3 […]…
