第1節でクリスタルパレスにクリーンシートで勝利したアーセナル。
ここ数シーズンでもっともポジティブといっても過言ではない雰囲気が、
いまのアーセナルからは感じられる。
ホーム開幕戦に迎えるのは、いまだ夏の補強が十分にできていないレスター。
ヴァーディと並んでレスターの象徴だったGK、シュマイケルはフランスのニースに移籍したという。
2015-16シーズンの優勝、ミラクル・レスターを知る選手もどんどん減ってきたなあと、
時代の流れを感じるようでもある。
さて、そんな感慨も覚えつつ、
いよいよホーム開幕戦が始まる。
4-2となったホーム開幕戦!
スタメン・試合結果は以下リンクから。
Read about Arsenal v Leicester in the Premier League 2022/23…
スタメンは前節と同じ11人。
前節はメンバー外だった冨安がベンチ入りを果たした。
試合は立ち上がり早々、レスターのフォファナとの1対1を、
守護神ラムズデールが見事にストップ。
ここぞというときにゴール前に立ちはだかる、頼れる男だ。
開始15分は互角といってもいい展開で進んだが、
開始23分、すべてのグーナーたちが待ち望んでいた、
ガブリエル・ジェズスの初ゴールが生まれる。
左サイドからの崩しに、エリア内でボールを受け、DFに囲まれながらも冷静に右足を振りぬいての一発。
体の使い方、
シュートの巧みさと冷静さ、
FWとしての技術の粋のようなゴールだった。
プレシーズンから好調だったジェズスだが、プレミアリーグでのゴールはまた格別だ。
そんなジェズスにさらなるゴールが生まれたのは35分。
今シーズンもアーセナルの武器となっているCKから、
ニアでヴァーディ―が触ったボールをファーで詰めて、この試合2点目となる得点を挙げてみせた。
アーセナルは前半を通じてパスのテンポが良く、選手たちが流動的に動いて絶え間なく攻撃ができている。
42分にはレスターFWのヴァーディ―の飛び出しに、
ラムズデールが接触してPKの判定が下されるも、
主審ダレン・イングランドはVARの結果PKなしの判定で事なきを得る。
これにより前半は2-0で折り返す。
後半に入り、アーセナルにアクシデント。
53分にサリバがヘッドでラムズデールに折り返したボールが、
そのままゴールに入ってしまうミスで2-1となる。
だが、そんなミスを帳消しにしてくれるようなゴールが55分に生まれる。
ホワイトがエリア内に放り込んだボールの処理をウォードが誤り、
そのこぼれ球を最後にジャカが詰めて3-1。
この試合ジャカは攻撃的なポジショニングが目立ったが、
それが結実したゴールだった。
トーマス・パーティや堅牢なCB陣、
またジンチェンコのポジショニングの妙などに支えられ、
今シーズンのジャカは安心して前に出ていくことができる。
これはアーセナルの新たな強みになるかもしれない。
一方のレスターは74分、右サイドの崩しから、
マディソンの鋭いシュートでのゴールで3-2と健闘を見せる。
だが、この日のアーセナルは彼らの気概を上回っていた。
失点直後の75分、マルティネッリの2戦連発となるゴールで4-2。
エリア外から左足を振りぬいてのゴールは、
今シーズンもマルティネッリが進化し続けていることを示す形だった。
冨安、ティアニーらが途中交代で守備を固める贅沢と共に、
前節出場のなかったスミス=ロウが今季初出場を果たす。
試合はそのまま4-2で終了し、
アーセナルはホーム開幕戦を見事に勝利で飾った。
昨シーズンの悪夢の3連敗スタートとはまるで違う、
すばらしい開幕2連勝となった。
開幕2連勝
クリスタルパレス戦に続いて、
レスター戦も非常にポジティブな内容での勝利となった。
ここまで期待感に満ちているシーズンの立ち上がりは、
近年では記憶にないかもしれない。
後述するが、新戦力のガブリエル・ジェズスがゴールという結果を出し、
ジンチェンコも左サイドで躍動。
マルティネッリもエリア外からのゴールという、アタッカーとしてのさらなる幅の広がりを示した。
ともすればサカ頼みにもなってしまっていた昨シーズンと比較すると、
流動的に攻撃を繰り出していくその姿は、まさにグーナー達が観たいと感じる魅力的なものだった。
攻撃面だけでなく、
守備面もまたポジティブだ。
前節で素晴らしいパフォーマンスを示したサリバには、ラムズデールと連携が取れずにオウンゴールが生まれたが、
逆にそれ以外に目立った弱点はなかった。
この辺で厄を落としたと
思うことにしよう。
さらに言いたいのは、ホワイトに代えて冨安、ジンチェンコに代えてティアニーが投入されたときの、
圧倒的な安心感についてだ。
アーセナルといえば守備が脆弱・・・
大変申し訳ないながら、
近年のアーセナルの守備陣が充実していたとはとても言い難い。
(個人名は挙げない)
それが今シーズンときたら、
試合の締めに冨安とティアニーという
つよつよなカードを切れてしまうのである。
これまで苦しんできたからこそ、
一層強まる喜び。
えっ 今日は全員カレーライス食っていいのか!!
ああ…しっかり食え
おかわりもいいぞ!
だとこの先が不幸になってしまうので、
今日の試合にはこちらの方がふさわしいかもしれない。
救世主・ガブリエル・ジェズス
さて、この試合で特筆したいのはやはりガブリエル・ジェズスだろう。
その名にふさわしく、今シーズンの彼はまさにアーセナルの救世主となりそうだ。
この試合では惜しくもハットトリックを逃したが、
2G2Aと圧倒的な活躍を見せた。
最初のゴールですでに、
卓越したドリブルスキルと、
冷静にゴールを打ち抜くシュート技術を示していたし、
ラムズデールからのロングボールを受けて、ターンでレスターDFをはがし、
レスターのGKウォードとの1対1に持ち込んだ場面なども、
グーナーたちが立ち上がって見てしまうプレーだった。
前線から積極的にプレスをかけ、
難しいボールを収め、自ら前を向き、冷静にフィニッシュを決める・・・
こうしてこの試合の彼のプレーを振り返ってみると、
ラカゼットとオバメヤンを足して2で割らない、まさにアルテタが求めていたFWの在り方そのものだ。
このジェズスがスタメン確保できないシティとかいう魔境、本当に恐ろしい。
Abemaの解説を務めた林陵平は、
ジェズスの電話を掛けるゴールパフォーマンスを見て、
「電話代かかりすぎちゃうんじゃないですかね?」
みたいなことを言っていた。
電話代がどれだけ膨らんでしまうのか、
グーナーたちはめちゃくちゃ心待ちにしている。
あと、エンケティアはめげずに頑張ってほしい。
エンケティアの力が必要になる場面が、
長いシーズンの間に必ず訪れるはずだ。
ついにジャカの答えが見つかった?
さて、もう1人印象的だったのが、
ジャカである。
ジャカはこの試合、
攻撃的なポジショニングが目立ったが、
もしかしたらこれはジャカの最適な起用法かもしれない。
これまでジャカは守備的なタスクをこなそうとしてストレスをため、
退場王との悪名もつくレベルでレッドカードをもらっていた。
しかし、この試合を見ていると、
彼が苦しめられてきた守備の問題は、
ジンチェンコのカバーであったり、
トーマスのカバーであったり、
マガリャンイス、サリバらの対人の強さといった要因により、
大幅に改善されている。
ジャカがストレスをためることなく攻撃に関与できることで、
チームの攻撃は活性化し、流動的な攻めを繰り広げられていた。
スイス代表の10番を背負うジャカの創造性は、今シーズンのアーセナルの新しい武器だ。
ジャカの今シーズンの飛躍に期待が高まるとともに、
ジャカが好調を維持できるよう、
中盤のさらなる補強にも期待したい。
レスターのティーレマンスは
エミレーツのグーナーたちに煽られていたが、彼を獲得できればチームはさらに盤石になる。
8月のマーケットはまだ開いているので、これからのニュースを楽しみにしよう。
最後に
次節はチェリーズことボーンマスのホーム、
バイタリティー・スタジアムに乗り込む。
ボーンマスは開幕でアストンビラに勝っているが、
今節ではシティに4-0と敗北を喫している。
ボーンマスの監督はエディ・ハウのイメージが強いが、
現在はあのスコット・パーカーが指揮している。
パーカー、ジェラード、ランパードなど、2000年代イングランドの中盤を担ってきた選手たちも、すっかり監督としてのキャリアを積み重ねてきているなあと、これも感慨深いものがある。
だが、両チームの力の差を考えれば、
ぜひとも3連勝につなげたいところだ。
また、ユナイテッドがブレントフォードに4-0で負けたこと、
もっといえばプレミアリーグ最下位であることには、
あえて触れないでおこう。
プレミアリーグ開幕節の記事はこちら
22-23シーズンが始まった。 このブログでアーセナルのマッチレビューを書き始め […]…