【マッチレビュー】プレミアリーグ第6節 マンチェスターユナイテッドvsアーセナル 【リアタイ勢に幸あれ】

前節、アストンヴィラを下して18年ぶりの5連勝を達成したアーセナル。

リバプールがマージ―サイドダービーでエバートンと引き分け、
シティもアストンヴィラと引き分けた結果、
ユナイテッド戦はビッグ6と勝ち点差を広げる大きなチャンスとなった。

ユナイテッドは開幕2連敗からの3連勝で、
かなり調子を上げてきている。

今シーズン初めてのビッグ6との対戦、
そして場所は要塞オールドトラフォードと、
アーセナルの真の強さが試される試合が始まる。

3-1の敗戦となった試合結果はこちらッッ!!

スタメン・試合結果は以下リンクから。

Read about Man Utd v Arsenal in the Premier League 2022/23 s…

アーセナルは負傷が懸念されたラムズデール、
ウーデゴール、ジンチェンコらがスタメンに名を連ねる。

ユナイテッドはアヤックスから移籍してきた
FWアンソニーがデビュー

立ち上がりはユナイテッドが積極的な攻撃を仕掛け、
アーセナルは押し込まれる展開ながら、
12分にカウンターからマルティネッリのゴールで先制点を奪った…!

かと思われたが、
カウンターの起点となった、ウーデゴールがエリクセンからボールを奪ったプレーが
VARでファールの判定となり、ノーゴールとなる。

グーナーたちの間で、
主審ポール・ティアニーの判定への不安が立ち込める。

そこからユナイテッド相手に攻めるアーセナルだが、
ユナイテッドは守備陣が堅固で、デヘアもビッグセーブでゴール前に立ちふさがる。

そんな展開のなか、
35分にユナイテッドのFWアントニーの先制点が決まる。
マガリャンイスのタックルがアドバンテージを取られ、守備が乱れたところを突かれての失点だった。

得点を奪いたいアーセナルだったが、
ゴールは生まれず前半は1-0とビハインドで折り返すことになった。

両チームともハーフタイムでの選手交代はなく、
試合は後半へと突入する。

58分、ユナイテッドは先制点のアントニーを下げ、
クリスティアーノ・ロナウドを投入する。

その直後の60分、
中盤でボールを奪ってのカウンターから、
ウーデゴールのスルーパスに抜け出したジェズスがDFとの競り合いで潰れたこぼれ球を、
サカが確実に左足で詰めて、今シーズン初ゴールとなる同点弾。

逆転を目指したいアーセナルだったが、
66分、ブルーノ・フェルナンデスのスルーパスに抜け出したラシュフォードのゴールで2-1。

アーセナルの同点弾に沈んでいたオールドトラフォードが、このゴールで一気に息を吹き返す。

直後、ユナイテッドはサンチョに代えてフレッジを投入。

アーセナルは73分、エンケティア、スミス=ロウ、
そして今シーズンプレミア初出場のファビオ・ヴィエイラを一気に投入し、得点を奪いに行く。

しかし直後の75分、アーセナルは裏に走りこむエリクセンを捕まえることができず、
1対2の状況を作られ、ラシュフォードに2点目となるゴールを許す。

3-1としたユナイテッドは、80分、
マグワイア、カゼミロを投入し逃げ切りを図る。

アーセナルは同じタイミングで冨安をホワイトに代えて投入するも、
ユナイテッド守備陣に阻まれ最後までゴールを決めることができず、
惜しくも3-1での敗戦となった。

ユナイテッドは強かった

この試合のユナイテッドは強かった。

エリクセン、ブルーノ・フェルナンデスが並ぶ中盤は非常に豪華で、
彼らの広い視野、創造的なスルーパスから生まれるカウンターでアーセナルは完全にしてやられた。

守備面を見ても、
ゴール前で一体となったDF陣を崩し切るのは容易ではなく、
最後にはGKデヘアが立ちはだかってくる。

そして何より勝利へのモチベーションが高い。

そんなチームをオールドトラフォードのサポーターたちも懸命に後押ししている。

久しぶりに強いユナイテッドを見せられた感じだ。

オールドトラフォードが要塞たる所以も
よくよく分からせられた。

リサンドロ・マルティネスやアントニーといった新加入選手が躍動し、
そこにカゼミーロもフィットしたらと想像すると、
テン・ハーグ監督のチームはより脅威的になる。

正直、このままチームとして成熟していくようだと、
アーセナルとCL権を争う手強いライバルになることは間違いない。

エミレーツでの対戦は来年1月の予定だが、
その時にはぜひこの敗戦のリベンジを果たしてほしい。

無駄ではない敗戦に

開幕5連敗からの敗戦となったアーセナル。

今シーズン初めてのビッグ6との対戦で、
プレミアリーグのトップクラブとの闘いが容易ではないことを、
改めて痛感させられる厳しい敗戦だった。

シティやリバプールとの勝ち点差をつけるチャンスを生かしたかったが、
必ずしもネガティブなだけの結果ではなかったことを書き記しておこう。

まずはあの要塞オールドトラフォードで、
一時は試合の主導権を握り、厳しい判定のなかでも同点に追いつく強さを見せたこと。

敗れこそしたが、今シーズンのアーセナルは
逆境で折れてしまわない逞しさを身に着けつつある。

このタイミングでのサカのシーズン初ゴールも、
これからの試合を迎えるにあたって非常にポジティブだった。

また、PL初出場のファビオ・ヴィエイラは、
マルティネッリへのセンスを感じさせるクロスや、
積極的にゴールを狙いに行く姿勢でグーナーたちを魅了した。

彼のような技巧派プレーメーカーは
グーナーたちの大好物だろう。

ヴィエイラが出場時間を延ばして
アルテタ監督のチームにフィットしてくると、
アーセナルのフットボールはもう1段上に行けるかもしれない。

そして、守備面ではやはりカウンターへの対策という課題が浮き彫りになった。

ロコンガは決して戦犯扱いされるようなパフォーマンスではなかったが、
やはりアンカーではなくもう1つ前の列で輝く選手のように思う。

トーマスの安定稼働が見込めない状況で、
フォーメーション変更で弱点をカバーするのか、
カウンターに対する防波堤となれる選手の獲得を目指すのか。

アーセナルが上位陣相手にも結果を残していくためには、この課題への対処が不可欠だろう。

アルテタ監督がこの敗戦から今後のチームの修正を図ることができるか、期待してみていきたい。

そして、日曜深夜のこの試合をリアタイ観戦し、
くやしさと眠気を抱えながら
月曜日を戦ったグーナー達に幸あれ。

VARの在り方は

この試合で話題を呼んでいるVARの在り方について。

マルティネッリのゴールは、
その起点となったウーデゴールのボール奪取がVAR判定でファールとなり、惜しくも取り消された。

あのゴールが認められていたら…とつい考えてしまう。

アルテタ監督が試合後、
VAR判定の「一貫性」の問題を指摘したほか、
ウーデゴールも判定に苦言を呈していた。

最終的な判断は主審が行うのだから、
誰もが納得いく判定というのは難しい。

しかし、プレミアリーグでのVARについては、
どの試合でも「一貫性」をもって運用されているか、疑問符が付くものになっている。

さらに、それが試合のテンポを悪くし、
フットボールが持つダイナミズムを損ねている印象もぬぐえない。

VARの運用はプレミアリーグ全体の課題として、
今後よりバランスの取れたものになってほしい。

実際、VAR判定を見直すことを優先事項とするなんて記事も出ているが、果たしてどうなることか。

Qoly

英審判員の統括機関、プレミアリーグの…

煽りでわかるアーセナルの注目度

さて、アーセナルは試合に敗れたわけだが、
結構他チームサポから煽られているような気がする。

さすがに開幕5連勝ともなると、
これまでのシーズンとは注目度が全然違うなと感じて面白い。

もちろん昨年から冨安が加入した効果もあるし、
Abema TVでアーセナルの試合を見る人が増えた効果もあるのだろう。

例年にない煽りツイートの多さで、
これが一位から見える景色なんだなと、
アーセナルを追い始めてから初めて味わう感覚を楽しんでいる。

品位のある煽り煽られが楽しめる位置をキープしてほしいという意味でも、
次節での勝利を期待していこう。

現在の立ち位置と次の試合

さて、オールドトラフォードでの敗戦でネガティブな空気が漂っているが、
さすがに無敗優勝は想像していなかったし、
うまく首位をキープできていることをポジティブにとらえたい。

シティを止めてくれてありがとうジェラードという感じだ。

これから大切なのは敗戦を引きずることなく、
次の試合に臨むこと。

次節にエミレーツに迎えるのは、今節リバプールとのマージ―サイドダービーで引き分けている、
16位エバートンだ。

エバートンといえば中堅上位というイメージだが、
近年は積極補強が裏目に出て迷走中との印象が強い。

実際、あのランパードがチームを率いる今シーズンも、第6節を終えて未勝利の状態となっている。

順位を考えると順当に勝利を得たいアーセナルだが、
エバートンには注目の若手FWゴードンのほか、
CMにコンバートされ活躍を見せる
元アーセナル戦士アレックス・イウォビが所属している。

今シーズン初めて敗北からの試合を迎えるアーセナルが、悪い流れを断ち切る強さをここで示せるか。

非常に楽しみな週末が待っている。

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