【アーセナルの試合を毎節レビュー】
フットボールの母国・イングランドに、
人々を惹きつけてやまないクラブがあります。
そのクラブの名は、アーセナルFC。
アーセン・ヴェンゲル氏が築き上げた栄光の時代から、
希望の見えない闇の時代を耐え抜き、
ヴェンゲル氏の系譜を継ぐアルテタ監督のもとで
再び黄金時代を迎えようとしています。
躍進と失速を味わった昨シーズンから、
再び頂点を目指すアーセナルの試合を、
当ブログでは毎節自由にレビューしていきます。
ヴェンゲル政権末期からのグーナー達に救いあらんことを。
【試合結果:2-2の引き分け】
Read about Arsenal v Spurs in the Premier League 2023/24 sea…
いよいよ始まる魂の戦い、ノースロンドンダービー。
エミレーツに宿敵を迎えるアーセナルですが、
注目が集まっているGKには、
3試合連続でラヤがスタメンに入りました。
ディフェンスラインはホワイト、サリバ、
マガリャンイス、ジンチェンコの鉄板の並び。
中盤ではライス、ウーデゴール、
今季好パフォーマンスを見せているファビオ・ヴィエイラ。
前線ではトロサールが負傷欠場となり、
スタメンにエンケティアとジェズスが同時起用されます。
対するスパーズはビスマとサールの中盤のコンビに、
トップ下にマディソン、トップにソンフンミンが入ります。
試合の序盤はアーセナルがペースを握り、
14分にはジェズスがゴールに迫りますが、これはヴィカーリオがセーブ。
拮抗した試合の中、
アーセナルは26分に先制点を奪います。
サカの右サイドでの仕掛けからのシュートを
スパーズのロメロがクリアし損ねてのOGでの得点でした。
38分にはソンのパスを受けたブレナン・ジョンソンの決定的なシュートに、
ラヤがグレートなセーブでチームを救う場面。
これには渦中のラムズデールも拍手を送ります。
リードを広げたいアーセナルでしたが、
42分に左サイドをターンして突破したマディソンのクロスに、
ソンがワンタッチで合わせて同点ゴール。
白熱した試合は1-1で折り返します。
アルテタ監督はハーフタイムにハヴァーツとジョルジーニョを投入。
下がったのはライスとヴィエイラです。
50分にはコーナーキックの流れからロメロにハンドの疑惑。
主審によるオンフィールドレビューの結果PKの判定となり、
サカがキッカーを務めます。
プレッシャーのかかる場面ですが、
サカは落ち着いてセンターに決めきり、
アーセナルは勝ち越しに成功しました。
しかしこの直後、
アーセナルはビルドアップの中で
ジョルジーニョがマディソンにボールを奪われ、
そこからソンのゴールを許してすぐに同点とされます。(55分)
ヴェテランのミスから失点を許したチームは、
78分にジョーカーのネルソンを投入し、
流れを変えようと試みます。
一方、スパーズはマディソンと2得点のソンにかえて、
リシャルリソンとホイビエアを投入します。
スコアが動かないまま、
試合は10分間のアディショナルタイムに突入。
97分にはスミス=ロウが投入されますが、
最後まで追加の得点は生まれず、
今回のノースロンドンダービーは2-2のドローで終わりました。
トピック① チームは安定感を欠いた
今回の2-2のドローは、負けなかったとの印象よりも、
取れたはずの勝ち点を落とした印象が強い結果でした。
チームはリーグ戦無敗を継続したとはいえ、
この試合でアーセナルが露呈した不安定さは、
今後のタイトルレースに不安を残すものになったといえます。
マディソンに突破を許した軽率な守備や、
勝ち越し直後に自分たちのミスでリードを失ったことなど、
失点の仕方が悪かったことがその印象を一層強めています。
ノースロンドンダービーという舞台がそうさせたのか、
昨シーズンからしばしば顔を見せていた不安定さが、
この重要な局面で出てきてしまいました。
この不安定さが何に由来するものなのか、
今回ミスを犯したのが経験豊富なジョルジーニョだっただけに、
単に経験の不足によるものだけではないように感じられます。
選手も人間なのでそういう時もある、
としか言えない部分もあるのですが、
ことタイトルレースにかけてはその揺らぎが許されない、
まして競争相手がシティとなれば、
というのが非常に厳しいところです。
ほんのわずかな差が決定的な差となりうる、
ここが最高峰のリーグであることを如実に感じさせます。
こうした弱みをこれからどれだけ克服できるのか、
優勝を争うチームとしての課題が浮き彫りになる試合内容でした。
トピック② けが人でスカッド運用が苦しく
この試合にトロサールが先発して、
ハーフタイムでのライスの交代がなかったら?
試合結果は違うものになっていたかもしれません。
スタメンクラスの負傷は、
この試合を左右した1つのポイントでした。
今後もタイトな日程が続く中で、
マルティネッリ、トロサール、ライス、パーティーといった、
主力選手たちの怪我が相次ぐこの状況は非常に厳しい。
特に中盤の底のポジションはジョルジーニョ、
ベンチ入りを果たしているエルネニー、
または思い切って冨安か、ジンチェンコか?
前線もウィングのポジションは心配で、
鉄人サカの負担も気になるところです。
ジャカの退団は非常に痛かったと、
改めてその存在の大きさを感じてしまいますが、
言っても仕方のないことでもあります。
こうした状況ではネルソンやスミス=ロウ、ジョルジーニョといった
サブの選手たちの奮闘に期待するほかはなく、
チームとしての総合力を問われる局面が続きます。
特にこの場面で活躍を期待したいのはハヴァーツで、
ファビオ・ヴィエイラがスタメンの座を掴みつつあるなか、
いよいよ真価を問われそうです。
アルテタ監督がこの難局をどのように乗り切るのか、
ここからの注目しどころになります。
トピック③ シティとの差は理不尽なフィニッシャー?
この試合のアーセナルブログのマッチレビューで、
「ラムズデールからラヤにGKを代えるのなら、
CFでも同じことをすべきなのでは?(意訳)」
といったことが主張されていました。
ジェズスもエンケティアもいい選手ですが、
フィニッシャーとしての存在感を十分に発揮できているか。
少なくともこの試合ではチャンスを活かし切れず、
そうしたパフォーマンスを示せませんでした。
最終的に試合を決定づけるのはやはりフィニッシャーなのだと、
アルテタ監督はかつてのペップと同じ課題に直面しているのかもしれません。
ペップがハーランドという解決策を購入した以上、
アーセナルにも同じことが求められるのか。
ハーランドのような理不尽なフィニッシャーこそ、
アーセナルに必要な最後のピースなのかもしれません。
ブレントフォードのFWトニーを獲得するうわさなども出ていますが、
今後の展開に期待していきましょう。
現在の立ち位置と次の試合(日本時間)
スパーズとドローに終わったアーセナルは、
無敗ながら勝ち点14で5位につけています。
得失点差でスパーズの下にいるのも悔しいポイント。
シティは開幕6連勝と好調で、
昨年は不調だったリバプールも今季は好調な立ち上がりです。
ブライトンは三苫薫の活躍もあって3位に浮上しました。
今回の引き分けで「アーセナル大丈夫か?」
と懸念の声が強まっていますが、
次の試合は容赦なくやってきます。
けが人も多い状況で迎えるのはカラバオカップです。
カラバオカップ3回戦 ブレントフォードvsアーセナル【9月28日(木)3:45 KO】
カラバオカップは優先順位の低いコンペティションで、
思い切ったターンオーバーが期待されます。
今シーズンあまり起用できていないベンチの選手や、
アカデミーの期待の若手などを積極的に起用し、
プレミアリーグとCLの並走に向けて
スカッドを調整する試合になるのではないでしょうか。
プレミアリーグ第7節 ボーンマスvsアーセナル【9月30日(日)23:00 KO】
来週に控えるのは、17位に沈むボーンマスとの試合です。
ライスやトロサールがこのあたりで復帰するとの報道もあり、
アウェーですが確実に勝ち点を積み重ねたいところ。
アルテタ監督のチーム運用に注目して、
試合を楽しみにしたいと思います。
前の試合の結果(CL第1節)
目次 1 【アーセナルの試合を毎節レビュー】2 【試合結果:4-0の勝利】3 ト […]…