『ONE PIECE FILM RED』:歴代ワンピース映画をランキングしてみた ※ネタバレあり

歴代最高興行収入の大ヒット作!

Adoの歌唱シーンが大きな話題を呼ぶなど、
ワンピースシリーズで歴代最高の興行収入を達成した『ONE PIECE FILM RED』

今回は映画感想を書いていくとともに、
国内最大級の映画レビューサイト「Filmarks」の評価順に、
歴代ワンピース映画をランキングしてみました。

あらすじ・キャスト

世界で最も愛されている歌手、ウタ。素性を隠したまま発信するその歌声は”別次元”と評されていた。

そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみにきたルフィ率いる麦わらの一味たち、ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。

物語は、彼女が”シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出すー。

Filmarksより

今回の映画では、
ワンピースのおなじみの声優陣に加え、

メインキャラクターであるウタを名塚佳織
Ado(歌唱)が務めています。

さらに、劇場版ならではのゲスト声優として、俳優の山田裕貴霜降り明星が出演しています。

名塚佳織とAdoのダブルキャストは映画公開前から大きな話題を呼んでいました。

さて、ここからはそんな『ONE PIECE FILM RED』の感想を書いていきます。

※以下ネタバレあり

映画感想

ライブ感あふれるAdoの歌唱

この映画最大の魅力はやはりAdoが演じるウタの歌唱シーン

映画が始まって早々、世界中に向けたウタのコンサートが始まり、
メインテーマ曲である『新時代』が披露されます。

『新時代』の作詞・作曲は
Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのプロデュースで知られる中田ヤスタカ

冒頭の圧巻のライブシーンで、観客は一気にウタワールドに引き込まれます。

現実で我々がウタの曲に引き込まれる感覚と、
映画の中の観客たちがウタウタの実の能力でウタワールドに引き込まれる感覚とが、
リンクするような仕掛けになっているところが非常に面白いところです。

さらに、『私は最強』『逆光』など、
映画の進展に合わせてAdoの歌唱シーンが続いていく中で、
ウタが掲げる「新時代」の全容が明らかになっていきます。

ウタの目的は、
ウタウタの実の能力によって、
観客たちをウタワールドに永遠に閉じ込めるというものでした。

苦しみに満ちた現実世界ではなく、
楽しいことしかないウタワールドで永遠に暮らすこと
こそ、
人々が望む「新時代」だとウタは確信していたわけです。

しかし、その理想は当然ルフィたちによって拒否されるだけでなく、
観客たちの中からも元の世界を望む声があがってきます

自分の理想が独りよがりなものだったと気づきながらも、
今更あとには引けないと突き進むウタの曲がだんだんと攻撃性・狂気性を帯びてくるのも、
ウタの憔悴や恐れが感じられる演出でした。

『ウタカタララバイ』はそんな中での1曲ですが、
Adoの表現力も相まって映画のなかでも最も記憶に残る曲になっていました。

この映画をどう感じるかは、
Adoの歌う曲にノれるか?
に依るところがかなり大きいです。

ここがハマればかなり楽しめると思いますし、逆にハマらないとかなり難しい結果になると思います。

トット・ムジカ戦の迫力

映画終盤のいわゆるラスボスとして登場するのが、人々の怨念が集合した魔王「トット・ムジカ」です。

ウタがトット・ムジカの楽譜を歌ったことで、トット・ムジカが目覚め、
ウタワールドと現実世界のそれぞれで最終決戦が始まります。

ウタワールドではルフィたち、
現実世界ではシャンクスたちがトット・ムジカと戦うのですが、
トット・ムジカを同時に攻撃して倒さなければ、現実世界とウタワールドをつなげることができません。

麦わらの一味や赤髪海賊団に加え、
カタクリやシャーロット・オーブン、
コビーやローなど多くのキャラクターたちが力を結集させて巨大な敵に挑む姿は、
かなりテンションが上がるものでした。

キャラクターたちが入り乱れて戦うため、画面がごちゃごちゃして何が何だか全貌がわからないのは正直言うと辛かったですが、
それだけ迫力も生まれています。

その中でも、ルフィとシャンクスがトット・ムジカにとどめの一撃を与える瞬間は、作画の気合が感じられる圧巻のシーンで、映画館で見るべき価値あるシーンでした。

ウタは死んだ?

ルフィの幼なじみというポジションでありながら、
人々の意思を無視して楽しいことだけのウタワールドに観客を閉じ込め、
それを「新時代」と掲げ世界の脅威になってしまったウタ。

エレジアという狭い世界で育ったことで、世間を知らず、独善的で幼稚な発想から抜け出しきれなかったこと、
2歳年下のルフィと精神年齢で大きく逆転されていたことも、
ウタという存在の悲しさを強調するようでした。

そうなってしまった背景にエレジアでの悲劇があったわけですが、
ウタもシャンクスもゴードンも、
全員が善意をもって行動した結果がこれなので、
なおさら救われない物語でした。

映画のなかではっきりと言及はされていませんでしたが、
作中でウタは死んだと考えるのが自然ではないでしょうか。

ネズキノコの毒を解毒しなかったことや、シャンクスたちが棺を囲んでいた描写があったことがその根拠です。

最後、サニーくんではなくなったサニー号を見て、
「海賊王に俺はなる!」と宣言したルフィの描写は、ウタの死を受け止め、

「その麦わら帽子が似合う男になるんだぞ」

というウタが遺した言葉に対するルフィの答えだったと思います。

ウタの死という悲劇を生んだ、
この大海賊時代を終わらせる
という決意です。

一方でウタ生存説もありますし、
今作はあくまでもパラレルワールドということですので、
原作でウタが登場する可能性もあるかもしれません。

今後の展開を楽しみにしたいと思います。

『ONE PIECE FILM RED』の評価は?

今回は、歴代ワンピース映画全15作を、
Fimarksの評価順に並べてみました。

タイトル制作年評価(記事公開時点)
『ONE PIECE FILM RED』2022☆3.8
『ONE PIECE STAMPEDE』2019☆3.8
『ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+』2008☆3.8
『ONE PIECE FILM Z』2012☆3.6
『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』2009☆3.6
『ONE PIECE FILM GOLD』2016☆3.5
『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』2003☆3.5
『ONE PIECE エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち』2007☆3.4
『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』2005☆3.5
『ONE PIECE ねじまき島の冒険』2001☆3.3
『ONE PIECE 呪われた聖剣』2004☆3.1
『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』2002☆3.1
『ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵』2006☆3.0
『ONE PIECE』2000☆3.0
『ONE PIECE 3D 麦わらチェイス(短編)』2011☆2.9

本記事公開時点での順位となりますが、
『ONE PIECE FILM RED』は歴代映画の中でも、かなり高評価を得ているといえそうです。

興行収入も過去最高ということで、
ワンピース史に残る作品となったといってもいいかもしれません。

ただ、Filmarksでは評価の芳しくない『オマツリ男爵と秘密の島』も、
細田守が監督を務めたかなり異質で面白い作品ですし、
評価だけでなく実際に映画を見て自分の好きな作品を見つけたいと思います。

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