「ブログに何をどう書けばいいか分からない」という悩み
「勢いでブログをはじめてみたはいいものの、
ブログに何をどう書いていけばいいか分からない・・・」
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
私自身もこのブログを続けている中でこの問題には非常に悩まされていました。
そんなときに出会ったのが、今回紹介する『読みたいことを、書けばいい』でした。
本書にはブログ記事を作成していくために重要な、
そして役に立つ考え方が多く示されています。
もちろん、「何を、どう書けばいいのか?」という悩みへの答えも含まれています。
本書を読むことで、「書くこと」に対する基本的な姿勢を理解し、
より良い文章を作ることができるようになるはずです。
ブログだけでなく、SNSや小説などを書くうえでも役に立つ1冊といえます。
そんな人におすすめの1冊:『読みたいことを、書けばいい。』
では、『読みたいことを、書けばいい』の基本情報をご紹介します。
本書は、1993年に広告代理店の電通に入社し、
24年間コピーライター、CMプランナーとして活躍してきた、
田中泰延(たなか ひろのぶ)氏によって書かれた1冊です。
田中泰延氏は2016年に電通を退社し、
フリーランスとして様々な活動を行っています。
その中でも有名なのが、webサイト『街角のクリエイティブ』に連載されていた、
「田中泰延のエンタメ新党」という映画評です。
以下にアーカイブのURLをのせておきますので、
ご興味のある方はぜひ読んでみてください。
めちゃくちゃ面白いです。
いわば文章のプロである田中泰延氏は、
どのようなことを考えながら文章を書いているのでしょうか。
本書は「書くこと」に対して必要な姿勢を教えてくれる
本書では、田中泰延氏自身の経験を交えながら、
「書くこと」に対して必要な姿勢が説明されています。
主なテーマとして挙げられているのが以下の4つです。
- 「なにを書くのか」
- 「だれに書くのか」
- 「どう書くのか」
- 「なぜ書くのか」
どれでもブログを含む「文章」を書くうえで非常に重要な要素ですよね。
ここからは、これらのテーマについて具体的に見ていきましょう。
本書から学ぶ:ブログを書くにあたって大切なこと
「なにを書くのか」
ネットで読まれている文章の9割は「随筆」
『読みたいことを、書けばいい。』より
本書の中で田中泰延氏は、上記のように語っています。
それでは、「随筆」とは何か。
田中泰延氏は「随筆」を、
「事象と心象が交わるところに生まれる文章」と定義しています。
世の中に存在するものに触れて、それに対して思ったことや考えたことを書く。
それがすなわち「随筆」です。
「事象」に寄ったものを書く人は「ジャーナリスト」「研究者」、
「心象」に寄ったものを書く人は「小説家」「詩人」となります。
ブログはちょうどその合間に位置するものであり、
ブロガーはまさに「随筆」を書く人という位置づけです。
「事象と心象が交わるところに生まれる文章」を書くのだ、
という定義づけを明確にすることで、
自分がいまなにを書いているのか忘れずにいられると田中泰延氏は述べています。
「だれに書くのか」
読み手など想定して書かなくていい。
その文章を最初に読むのは、間違いなく自分だ。
自分で読んでおもしろくなければ、書くこと自体が無駄になる。
『読みたいことを、書けばいい。』より
ブログを書くことについて調べていると、
必ず「読み手」を想定して書くべき、という主張がなされています。
しかし本書で田中泰延氏は、読み手を想定する必要はないと説きます。
「自分が読んでおもしろい文章」
=「まだだれも読んでいない文章を自分で作る」ことだと定義して、
書くことの出発点を次のように述べているのです。
「わたしが言いたいことを書いている人がいない。
じゃあ、自分が書くしかない」
『読みたいことを、書けばいい。』より
現代は物事に対する考察や意見・感想がインターネットに瞬時にあふれかえる時代で、
オリジナリティのある文章を出すことが非常に難しくなっています。
しかも、たとえどんなに「内容」を充実させたとしても、
多くの人にとって文章は「内容」よりも「誰が書いたか」の方が非常に重要です。
つまり、他者から評価されるための手段として、
「書く」ことは非常に「割に合わない」行為といえます。
だからこそ、文章を書くにあたっては、
自分自身が自分の文章を面白いと感じられるよう、
自分自身の人生を生きられるように書くことが大切だと述べられています。
「どう書くのか」
つまり、ライターの考えなど全体の1%以下でよいし、
その1%以下を伝えるためにあとの99%が要る。
「物書きは調べることが9割9分5厘6毛」なのである。
『読みたいことを、書けばいい。』より
田中泰延氏は「つまらない人間」とは「自分の内面を語る人」と述べ、
「随筆」という「事象」と「心象」が交わる著述形式においては、
「事象」の強度が非常に重要となると説明しています。
つまり、「随筆」において、ただ自分の感想を書いただけの文章は面白くはなりえず、
原型、下敷き、模倣、引用といった文脈、ファクトを調べることが不可欠なのです。
そのための方法として、「一次資料にあたる」ことが大切であり、
本書では次の方法が挙げられています。
- 図書館を利用する
- 司書に相談する
- インタビュー
本書では実際に田中泰延氏が利用している図書館やデータベースも紹介されており、
非常に役立つ内容となっていますので是非参考にしてください。
さらに、文章を書くにあたって、
対象を「愛する」ことの重要性が本書で強調されています。
調べることは、愛することだ。
自分の感動を探り、根拠を明らかにし、
『読みたいことを、書けばいい。』より
感動に根を張り、枝を生やすために、調べる。
対象を愛し、その愛を全力で伝えることが、「随筆」の基本となるのです。
それでは、具体的にはどのようにそれを書いていけばいいのか。
その形式は以下に挙げる「起承転結」です。
起:実際の経験だという前置き
承:具体的になにがあったか
転:その意味はなにか。テーゼ化
結:感想と提言。ちょっとだけ。
『読みたいことを、書けばいい。』より
①発見、②帰納、③演繹、④詠嘆とも説明されています。
「随筆」を書くうえでは、この流れが基本的な形となります。
「なぜ書くのか」
本章で、田中泰延氏は以下のように述べています。
自分が読みたくて、自分のために調べる。
それを書き記すことが人生をおもしろくしてくれるし、
自分の思い込みから解放してくれる。何も知らずに生まれてきた中で、わかる、学ぶということ以上の
『読みたいことを、書けばいい。』より
幸せなんてない、とわたしは思う。
なぜ書くのか?
答えは人それぞれ異なるかもしれませんが、
本書で書かれている考え方は、
文章に関わる多くの人に共通するものではないでしょうか。
自分がブログを書く必要はない?
さて、ここまで本書の主な内容を紹介してきました。
文章を書くにあたっては徹底的に調べることが重要であって、
誰かが書いているようなことを書くのであれば、
自分が書く必要はない、読み手でいればいい。
そんな本書の考え方は、現在文章を書いている人にとっては、
非常にストイックなものともいえます。
しかし、やはりいい文章を生み出していく、
自分が満足できる文章を生み出していくためには、
その場の思い付きや単なる感想を述べるのみでは不十分でしょう。
この文章を読んで自分が面白いと思うことができるのか?
そんな試行錯誤、積み重ねのなかで、
ほかの人には書くことのできない文章が生まれてくるのではないでしょうか。
オリジナリティのある文章を生み出すのは非常に困難ですが、
最初から自分が書く必要はないと決めつけず、
本書の考え方を踏まえ、対象への愛をもって文章を書く行為に臨むことが大切ですね。
「文章」を書く人すべてにおすすめした1冊
今回は田中泰延『読みたいことを、書けばいい。』を紹介しました。
「書く」ことについて悩みが生じたとき、常に傍らに置いて参照したくなるような、
ブロガー含め「文章」に関わるすべての人にとって役立つ内容を含んだ、
非常に興味深い一冊でした。
以下のテーマについて問題や悩みを抱えている人は、
ぜひ手に取って読んでみてください。
- 「なにを書くのか」
- 「だれに書くのか」
- 「どう書くのか」
- 「なぜ書くのか」
きっと、答えを得ることができるはずです。
それでは、今後も当ブログではおすすめの書籍を取り上げていきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術 [ 田中 泰延 ] 価格:1,650円 |
価格:1,485円 |
合わせて読みたい:仕事に迷った時におすすめの本
【名言6選】松下幸之助『道をひらく』~仕事に迷ったときに読みたい名著~