【アーセナルの試合を毎節レビュー】
フットボールの母国・イングランドに、
人々を惹きつけてやまないクラブがあります。
そのクラブの名は、アーセナルFC。
アーセン・ヴェンゲル氏が築き上げた栄光の時代から、
希望の見えない闇の時代を耐え抜き、
ヴェンゲル氏の系譜を継ぐアルテタ監督のもとで
再び黄金時代を迎えようとしています。
躍進と失速を味わった昨シーズンから、
再び頂点を目指すアーセナルの試合を、
当ブログでは毎節自由にレビューしていきます。
ヴェンゲル政権末期からのグーナー達に救いあらんことを。
【カラバオカップ3回戦:0-1の勝利】
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日本時間で9/28に行われたカラバオカップ3回戦。
アーセナルはノースロンドンダービーでの引き分けから、
タイトな日程での試合を迎えます。
スミス=ロウやネルソンといった選手がスタメンに名を連ね、
アカデミー出身のWG、Sagoe Jrも抜擢されました。
GKにはラムズデールが入ったほか、
冨安がセンターバックで起用されています。
試合はアーセナルがネルソンのゴールで0-1の勝利をおさめ、
4回戦へと駒を進める結果に。
後半にかけてホームチームに押し込まれるなど、
試合内容は芳しいものではありませんでしたが、
出場機会の少ない選手にとってはアピールの機会になりました。
次の4回戦で対戦するのはウェストハムで、
11月2日に試合が予定されています。
【試合結果:0-4の快勝】
Read about Bournemouth v Arsenal in the Premier League 2023/…
アーセナルはボーンマスのホーム、
バイタリティスタジアムに乗り込みます。
ボーンマスを率いるイラオラ監督は、
アルテタ監督と同じバスク出身で同い年。
2人はアンティグオコというクラブのアカデミーで
ともにプレーしたことがあり、
監督として良いライバル関係になっていきそうです。
さて、けが人が続出しているアーセナルのスタメンには、
心配されていたサリバ、ライス、サカが起用されました。
試合序盤はボーンマスがボールを保持し、
リズムよくパスを回していきます。
しかし17分、
アーセナルはサカのゴールで先制に成功します。
ウーデゴールのクロスに、
ジェズスが頭で折り返したボールがゴールポストに当たり、
そのこぼれ球をサカが頭で詰めた形の得点でした。
43分には、抜け出したエンケティアがアーロンズに倒され、
PKの判定が与えられます。
今回のキッカーはウーデゴール。
キャプテンが冷静に左隅に決めきって、
アーセナルは0-2とリードを広げました。
ハーフタイムでの交代はなく、
試合は後半へ。
52分、クリスティーがエリア内でウーデゴールにスライディングし、
この試合2度目のPKの判定が下ります。
キッカーを務めるのはハヴァーツ。
53分にきっちりPKを決め、
チームでハヴァーツのアーセナル加入後初ゴールを祝福します。
3-0としたアーセナルは、
ジンチェンコとエンケティアを下げて、
冨安とネルソンを投入。
76分にはサカが足を痛めたため、
ファビオ・ヴィエイラがピッチに送り出されました。
81分にはハヴァーツにかえてスミス=ロウ、
ライスにかえてジョルジーニョの交代が実施されます。
90+3分にはセットプレーからホワイトがヘディングを決め、
VARでのチェックでもゴールが認められ
0-4とダメ押しの得点。
危なげない試合運びで試合を終えたアーセナルは、
勝ち点3を積み上げてリーグ無敗を継続しています。
トピック① 無敗をキープする快勝
ノースロンドンダービーでの引き分けから、
チームはカラバオカップに辛勝したものの、
けが人が続出している状況に不安の声が上がっていました。
しかし実際試合を迎えてみると、
サリバやライス、サカら主力選手がスタメン入りし、
下位に沈むボーンマスにきっちり勝利。
イラオラ監督の志向するフットボールに対して、
アルテタ監督がその先を行く完成度を見せつけた形になりました。
ボーンマスはアグレッシブなチームになっていましたが、
この試合ではペナルティーエリアで余分なアグレッシブさを
発揮してしまいましたね。
これによってアーセナルは無敗をキープして、
今節ウルブス相手にリーグ初黒星を喫したシティと勝ち点差1の
3位につけています。
スパーズがリバプールを下して2位にいるのが
腹立たしい部分ですが、
なにはともあれシティの敗戦によって
タイトルレースは俄然面白くなりました。
アーセナルには淡々と目の前に試合に勝利してくれることを期待しつつ、
他チームがうまく勝ち点を落としてくれるよう、
今後の展開を見守っていきたいと思います。
トピック② ハヴァーツを支えるチームの結束
この試合で最も印象的だった出来事、
それは間違いなくハヴァーツのPKでした。
サカが蹴るのかと思われましたが、
ウーデゴールの働きかけもあったのか、
PKはハヴァーツに譲られることになり、
ハヴァーツ自身もその期待に応えてしっかり得点を決めました。
全員でハヴァーツの初ゴールを祝う姿が印象的で、
チームのポジティブな雰囲気がうかがえます。
ハヴァーツもここまで適応に苦しんでいますが、
アルテタ監督の求める中盤でのタスクは難しく、
そこに高額の移籍金がさらにプレッシャーとなっていたと思います。
チームもサポーターもハヴァーツを支える姿勢ですし、
今回のゴールが今後の活躍につながる良いきっかけとなることを
期待したいですね。
トピック③ 右WGのバックアップを
アーセナルはこの試合、
ボーンマス相手に53分で0-3とほぼ勝利を確実にしましたが、
その中で疑問を感じたのがサカ。
サカの勤続疲労が明らかな状況で、
この展開であれば早々に交代して彼を休められたはずです。
しかし、アルテタ監督はサカが負傷するまでその判断をせず、
彼を引っ張る姿勢を見せました。
しかし、まだまだシーズンは長く、
チャンピオンズリーグという負荷の高いコンペティションもあり、
この起用は非常にリスキーです。
ここまではサカの鉄人ぶりに助けられてきましたが、
彼のバックアップはチームの大きな課題です。
手っ取り早いところとしては、
ジェズスの右WG起用でしょうか。
スタメンを固定する傾向が指摘されるアルテタ監督の運用の中でも、
チームの要であるサカの負担は特に大きいと思われますので、
今後の改善に期待していきましょう。
現在の立ち位置と次の試合(日本時間)
今節のサプライズは、シティに初黒星をつけたウルブズ。
上位陣の勝ち点差が縮まり、
今季のタイトルレースがより興味深いものとなりました。
また、スパーズがVAR判定が議論を呼んだ試合で
リバプールを下したことは上述の通り。
ユナイテッドがホームでクリスタルパレスに敗れ、
アストンヴィラがブライトンを6-1で下した試合もあり、
全体に面白い試合が見られた第7節でした。
アーセナルもポジティブな雰囲気の中、
CL、シティ戦と過酷な日程を消化していくことになります。
チャンピオンズリーグ第2節 ランスvsアーセナル【10月4日(水)4:00 KO】
チャンピオンズリーグの第2節は、
フランスでのランスとの一戦。
RCランスは21年ぶりのCL参戦で、
前節はセビージャと引き分けています。
伊東純也と中村敬斗が所属するスタッド・ランスとは、
ライバルクラブながら本拠地は異なるとのこと。
同じ「ランス」でも綴りも違います。
厳しい日程ですが、比較的近距離の対戦相手として、
グループリーグ突破のために
きっちり勝ち点を積み上げたいところです。
シティ戦を見据えた選手起用にも注目ですね。
プレミアリーグ第8節 アーセナルvsマンチェスター・シティ【10月9日(月)0:30 KO】
昨シーズンは結局勝利できなかった、
宿敵マンチェスターシティ。
シティはミッドウィークにCLでライプツィヒと激突します。
お互いに日程の厳しい中で、
力の差を実感させられた屈辱を胸に、
挑戦者の立場で今シーズンの大一番を迎えます。
エミレーツでの試合なだけに、
ここで勝利する姿が見たいですね。
リーグタイトルとプライドと、
掛かるところの大きいビッグゲームです。