【アーセナルの試合を毎節レビュー】
フットボールの母国・イングランドに、
人々を惹きつけてやまないクラブがあります。
そのクラブの名は、アーセナルFC。
アーセン・ヴェンゲル氏が築き上げた栄光の時代から、
希望の見えない闇の時代を耐え抜き、
ヴェンゲル氏の系譜を継ぐアルテタ監督のもとで
再び黄金時代を迎えようとしています。
躍進と失速を味わった昨シーズンから、
再び頂点を目指すアーセナルの試合を、
当ブログでは毎節自由にレビューしていきます。
ヴェンゲル政権末期からのグーナー達に救いあらんことを。
【試合結果:2-1の敗戦】
Lens vs Arsenal 2023/24. All UEFA Champions League match inf…
ボーンマス戦からタイトな日程で迎える、
チャンピオンズリーグの第2試合目。
スタッド・フェリックス・ボラールに乗り込むアーセナルは、
GKにラヤ、右SBに冨安が入ってサリバ、マガリャンイス、ジンチェンコのDFライン、
中盤にはライス、ウーデゴール、ハヴァーツ、
前線にサカ、ジェズス、トロサールが入りました。
一方のRCランスは今季加入の注目フランス人FW、
エリー・ワイが先発しています。
試合は14分、先制したのはアーセナルでした。
ランズのビルドアップの場面でボールを奪ったサカから、
パスを受けたジェズスがドリブルで運び、
右足でのシュートを突き刺しました。
しかし25分、ラヤからのロングパスが冨安に合わず、
ランスの3番マチャドにボールを奪われます。
マチャドからのパスを受けたエリー・ワイの落としに、
トマソンが右足でダイレクトに合わせてゴールを奪いました。
同点とされたアーセナルにさらなるアクシデント。
34分にサカが負傷交代となり、
ファビオ・ヴィエイラがピッチに立つことになりました。
結果として前半は1-1で終了します。
後半に入り、両チームともゴールに迫る場面を作りますが、
チャンスをものにしたのはランスでした。
69分、右サイドを突破したフランコフスキのクロスに、
エリア内でワイが合わせてのゴールで、
ランスが2-1と逆転に成功します。
リードを奪われたアーセナルは、
ベン・ホワイト、ネルソン、スミス=ロウなど、
選手交代で試合の流れを変えることを試みます。
ボールを支配してゴールを狙う展開が続きますが、
RCランスの集中したDFを前にゴールをこじ開けることができません。
最後まで得点を挙げることができず、
アーセナルは今シーズン最初の黒星を喫しました。
トピック① 今シーズン初の敗戦
RCランスは非常に組織されたチームで、
アーセナルの守備の弱みを突くやり方を徹底してきました。
マルティネッリとサカという強力なウィングを欠き、
日程もタイトだったアーセナルは、
うまく対応できずに今シーズン初の黒星となりました。
アーセナルの被カウンターは積年の課題で、
ライスの加入が対応策となった部分はあるものの、
まだまだ改善の余地を残しています。
それでも万全の状態であれば結果は変わっていたかもしれませんが、
そこも含めてチームの実力といえばそれまでです。
今回の試合は厳しい敗戦となりましたが、
ここで明らかになった課題にどう対応するか、
アルテタ監督のチームの行方に注目したいと思います。
たらればをいうなら、
ティンバーが無事プレーできていたら・・・
トピック② サカの負傷
この試合で問題となったのは、
ボーンマス戦で負傷交代していたサカを先発起用した
アルテタ監督の判断です。
週末にはマンチェスターシティとのビッグゲームが控える中、
状態が万全ではないサカを休ませることも必要だったのでは?
との指摘がされています。
問題の所在は、リスクを抱えたサカであっても、
試合に勝つために彼を起用しなければならないチーム状況です。
現状、サカに準じるパフォーマンスを発揮できる
右WGがいないのは事実で、
サカもその鉄人ぶりでチームを支えてきました。
しかし、CLとPLという負荷の大きいコンペティションを、
今までのようにサカに頼って戦うのは不可能です。
チームとして彼の負荷を軽減する策を講じねばならず、
それが外部からの補強なのか、現状戦力からの起用なのか、
その動向は今シーズンのアーセナルの重要な選択になります。
個人的にはサカのような選手は大事に扱ってほしいと思いますし、
アルテタ監督はサブの選手をもっと信じて起用して良いはずです。
アーセナルにはヴェンゲル監督の時代から、
そうやって若手を起用してきた歴史があるのですから。
トピック③ GK論争の行方は…
この試合で先発したGKラヤですが、
今回は彼のパスが失点につながる結果となりました。
RCランスの決定力もラヤにとっては不運でしたし、
アーセナルのスタイルを考えるうえで
このようなミスはゼロにはならないと思います。
そのため、このミスでラヤの序列が下がるとは考えにくく、
アルテタ監督のファーストチョイスは引き続きラヤでしょう。
ただ、今回のような難しいアウェーでの試合の中で、
チームを鼓舞するラムズデールのキャラクターが恋しくもあり。
カラバオカップしか出場機会がないのであれば、
ラムズデールの退団は確実でしょうし、
個人的には非常にもどかしい心持ちです。
現在の立ち位置と次の試合(日本時間)
RCランスに敗れ、アーセナルは勝ち点3で2位。
セビージャとPSVが2-2と引き分けてくれたのが幸いでした。
次のCLの試合はアウェーでのセビージャ戦ですが、
ここを落とすとグループリーグの行方はますます混沌としてきます。
グループリーグ突破のため、重要な一戦となります。
しかしその前に待つのが、
マンチェスターシティとの一戦です。
プレミアリーグ第8節 アーセナルvsマンチェスター・シティ【10月9日(月)0:30 KO】
勝ち点差1で迎えるシティとの大一番。
アーセナルはいまだ無敗を維持している一方で、
シティは前節「The Korean guy」のゴールもあり、
ウルブズに初黒星を喫しています。
ただ、アーセナルはマルティネッリの負傷など、
シティよりも苦しいチーム状況です。
本来は万全の状態でシティにどれだけ迫れるかを見たかったですが、
サカは出場可能との報道も出ていますし、
ホームで勝ち点3を得てくれることに期待しています。
プレミアリーグ第9節 チェルシーvsアーセナル【10月22日(日)1:30 KO】
代表ウィークを挟んで迎えるチェルシー戦。
現在の順位は11位と低迷しているチェルシーですが、
ビッグロンドンダービーということで、
順位に関係なく負けられない試合です。
ポチェッティーノ監督のもとでチームがまとまってくる前に、
ここで叩いてしまいましょう。