【アーセナルの試合を毎節レビュー】
フットボールの母国・イングランドに、
人々を惹きつけてやまないクラブがあります。
そのクラブの名は、アーセナルFC。
アーセン・ヴェンゲル氏が築き上げた栄光の時代から、
希望の見えない闇の時代を耐え抜き、
ヴェンゲル氏の系譜を継ぐアルテタ監督のもとで
再び黄金時代を迎えようとしています。
躍進と失速を味わった昨シーズンから、
再び頂点を目指すアーセナルの試合を、
当ブログでは毎節自由にレビューしていきます。
ヴェンゲル政権末期からのグーナー達に救いあらんことを。
【試合結果:1-2の勝利】
Read about Nottm Forest v Arsenal in the Premier League 2023…
クリスタルパレスに大勝したアーセナルは、
ノッティンガムフォレストのホームスタジアム、
シティ・グラウンドに乗り込みます。
非常に歴史あるスタジアムで戦うメンバーは、
GKにラヤ、
DFラインにホワイト、サリバ、マガリャンイス、ジンチェンコ、
中盤にウーデゴール、ライス、スミス=ロウ、
前線にサカ、ジェズス、マルティネッリ。
ここにきてスミス=ロウの先発起用というサプライズがありました。
ちなみにフォレストのGKはマット・ターナー。
いよいよ始まった試合は、
フォレストが自陣で深く守り、
アーセナルがボールを支配して攻める展開となります。
アーセナルはフォレストのブロックに対し、
ジンチェンコも高い位置を保ちながら、
突破口を見つけようと攻撃を繰り返しますが、
得点を生み出せない時間が続きました。
先発起用で期待のかかるスミス=ロウも絡みながら、
惜しいシーンはいくつも作り出していたものの、
フォレストも集中したディフェンスを続け、
前半のアーセナルは無得点に終わりました。
ハーフタイムでの交代はフォレストのウッド→アウォニイのみ。
後半に入ってフォレストのパーク・ザ・バスを崩せるか、
アーセナルのチャレンジが続くなか、
57分には右サイドからエリア内に侵入し、
サカ、ウーデゴールとつないでジェズスにビッグチャンス。
GKとの1対1の場面でのジェズスのシュートは
惜しくもゴールポストを直撃。
決定機を逃したアーセナルですが、
65分にジェズスが自らのミスをカバーする活躍を見せます。
スローインを受けたジェズスがそのまま前を向き、
エリア内最奥の角度のない場所から、
GKターナーの足元を射抜く技ありのゴールで、
アーセナルに貴重な先制点をもたらしました。
息の詰まる展開を打ち破ったアーセナルは、
72分にフォレストのパスをウーデゴールがカットし、
そのまま前に走り込むジェズスにボールが出ます。
持ち上がったジェズスから右サイドのサカにパスが送られ、
サカは誰もが待ち望んだ追加点を確実に決めました。
0-2とリードを広げたチームは、
89分に守備の綻びからアウォニイに得点を許し、
1点差の緊迫した展開に追い込まれますが、
キヴィオルやジョルジーニョの投入などの対応で、
1-2で試合をクローズ。
クリスタルパレス戦に続く勝利を挙げ、
この後に控える大一番・リバプール戦に向けて弾みを付けました。
トピック① 深く守る相手に苦労する
この試合、ノッティンガムフォレストは自陣深くに籠り、
アーセナルをブロックする戦術を採用しました。
アーセナルのこれまでの戦い方を見れば、
ヌーノ監督がそう臨んでくるのは合理的で、
実際前半は非常にその戦術が功を奏していたといえます。
アーセナルは前半ゴールにたびたび迫りながらも、
閉塞的なゲーム展開を強いられました。
アーセナルは後半のジェズスの得点によって勝利を得ましたが、
辛抱強くトライし続けたことが結果に結びついたと言えます。
一方で、以前から指摘されている通り、
アーセナルのいわば整然とした戦い方によって、
相手に守備を整える時間を与えてしまい、
攻撃を難しくしてしまっている部分もあるように感じました。
相手が準備していない(できない)状態での攻撃や、
相手が予想できないプレーなど、
今のアーセナルに足りないのはそんなカオスかもしれません。
カオスを生むためには、個々人のよりリスクを取ったプレー、
リスクを許容するチームの雰囲気が必要でしょうし、
その許容度の点において、
アルテタ監督とペップやクロップとの間に差があるのではと
個人的には考えています。
アルテタ監督もピッチ上のカオスを好むコメントを
以前にしていたと思いますが、
そのあたりの課題意識は
アルテタ監督自身も持っているのかもしれません。
今後も同じような展開の試合が続くことが予想されますので、
パレス戦で見せたようなセットプレーの活用と合わせて、
どのような攻撃の工夫がなされるのかを楽しみにしています。
トピック② ジェズスの働き
この試合は何と言ってもジェズスのゴールが決定的でした。
あのフォレストのブロックを、
角度のないところからの技ありのゴールでこじ開けたところに、
ジェズスのストライカーとしての凄みを感じました。
スタジアムに響いた歓声の大きさが、
この日のフラストレーションとそれを破ったジェズスへの賞賛を伝えていました。
このブログでも絶対的なストライカーの必要性を書いたことがあれば、
この試合ではジェズスにその可能性が大いにあると感じましたし、
今後も継続的にゴールを決めてくれれば最高ですね。
ジェズスがゴールした試合の無敗記録も60試合に伸びています。
冬のマーケットでもFWの獲得はありませんでしたし、
今後のジェズスの活躍がさらに楽しみになりました。
トピック③ スミス=ロウの起用
先発起用されたスミス=ロウですが、
この起用に喜んだグーナーも多かったのではと思います。
かねてから活躍を嘱望されながらも、
長期離脱などもあってチームの中核選手にはなれておらず、
なんとももどかしい時間が続いてきた中、
彼がアルテタ監督の信頼を徐々に掴んで来たのでは?
と示唆されるような起用でした。
ピッチ上の活躍という点では、
ゴールやアシストなどの結果にはつながらず、
100点満点といえるものではありませんでしたが、
彼らしさを感じさせるプレーも散見されました。
ジャカが去ったポジションを誰が埋めるのか、
ここまではハヴァーツが有力候補でしたが、
スミス=ロウが台頭していくことになるのか。
ヴィエイラも復帰してきたときに、
どんなポジション争いが繰り広げられるのか、
楽しみにしていきたいと思います。
現在の立ち位置と次の試合(日本時間)
プレミアリーグでは2連敗からの2連勝となったアーセナル。
リバプールとの勝ち点差は5pのまま、
再び彼らとの試合を迎えます。
他チームを見ると、アーセナルに続いて勝ち点3差でスパーズ、ヴィラ。
1試合ごとの結果が重要な緊迫した戦いがまだまだ続きます。
移籍市場ではどのチームも派手な動きはなく、
スパーズがルーマニア代表CBドラグシンを獲得したくらいでしょうか。
アーセナルはマルキーニョスがローンバックしてきています。
個人的にはELでゴールして涙を流していたのが印象的ですが、
活躍を期待したい選手の1人です。
プレミアリーグ第23節 アーセナルvsリバプール【2月5日(月)1:30 KO】
クロップ監督が今シーズンでの退任を発表し、
彼を優勝で送り出したいという、
リバプールの結束力は非常に強くなっていると思います。
アーセナルはそんな空気に流されることなく、
勝ち切ることができるのか。
優勝争いに直結する重要な試合となりますので、
どんなメンバーでどんな戦術で試合に臨むのか、
非常に楽しみにしています。
プレミアリーグ第24節 ウェストハムvsアーセナル【2月11日(月)23:00 KO】
昨年の対戦ではホームで0-2の敗戦を喫し、
チームは悪い流れに入ってしまいました。
モイーズの率いるチームは容易な相手ではなく、
リバプール戦の後も難しい試合が控える、
厳しい期間となります。
前の試合の結果(プレミアリーグ第21節)
目次 1 【アーセナルの試合を毎節レビュー】2 【試合結果:5-0の快勝】3 ト […]…