【アーセナルの試合を毎節レビュー】
フットボールの母国・イングランドに、
人々を惹きつけてやまないクラブがあります。
そのクラブの名は、アーセナルFC。
アーセン・ヴェンゲル氏が築き上げた栄光の時代から、
希望の見えない闇の時代を耐え抜き、
ヴェンゲル氏の系譜を継ぐアルテタ監督のもとで
再び黄金時代を迎えようとしています。
躍進と失速を味わった昨シーズンから、
再び頂点を目指すアーセナルの試合を、
当ブログでは毎節自由にレビューしていきます。
ヴェンゲル政権末期からのグーナー達に救いあらんことを。
【試合結果:4-0の勝利】
Arsenal vs PSV 2023/24. All UEFA Champions League match info…
2016-17シーズン以来のチャンピオンズリーグの舞台。
エミレーツスタジアムにアンセムが高らかに響き渡ります。
グーナー達が長年待ち望んだ瞬間です。
ポジション争いが注目されていたGKにはラヤが起用されました。
試合は開始8分、ウーデゴールのミドルシュートをGKがストップしたこぼれ球に、
素早くサカが詰めて先制点を決めます。
アーセナルの新時代を象徴するサカのCL初ゴールが、
この試合の口火を切る得点となりました。
20分にはアーセナルのカウンターから、
右サイドのサカのクロスにトロサールが右足で直接合わせて、
ゴール右隅をエリア外から射抜くシュートを決めます。
チームの勢いはこれでおさまりませんでした。
38分には裏に抜け出したトロサールのクロスを、
エリア内に走りこんだジェズスが完璧なトラップから右足を振りぬき、
3-0とリードをさらに広げました。
前半のうちに試合をほぼ決定づけたアーセナルは、
58分にはトロサールとジンチェンコを下げて、
ともにCLデビューとなるネルソンと冨安をピッチに投入します。
69分にはジェズスとサカにかえて
スミス=ロウとファビオ・ヴィエイラがピッチへ。
その直後、ネルソンからのパスをぽっかりと空いたエリア前で受けたウーデゴールは、
十分な余裕をもってシュート態勢に入り、
左足での強烈なシュートをゴール右隅に突き刺しました。
アーセナルは4-0と大量得点でPSVを破り、
チャンピオンズリーグ白星発進を飾っています。
トピック① チャンピオンズリーグの舞台に帰ってきた
チャンピオンズリーグの舞台にアーセナルが帰ってきました。
エミレーツにチャンピオンズリーグのアンセムが響いた瞬間は、
やはり興奮を抑えられませんでした。
アーセナルが最後に出場したのは16-17シーズンで、
この舞台から非常に長く遠ざかってきたことを改めて実感します。
その間にリバプール、シティ、チェルシーといったライバルクラブが
ビッグイヤーを掲げるなかで、
チームが泥沼の中にあったあの日々の辛さがあったからこそ、
今回の大勝で飾られたカムバックの喜びは一層大きいものでした。
アーセナルといえばリーグ戦4位、チャンピオンズリーグベスト16が定位置という
イメージが一時期定着していましたが、
アルテタ監督のチームはこの壁を越えてくれると信じています。
これからもタイトな日程が続きますが、
まずはグループリーグ突破に向けて非常に幸先の良いスタートです。
トピック② GKはラヤかラムズデールか?
エバートン戦でラヤがスタメンに抜擢されたことで、
正GKをどうするべきかという論争が白熱。
アルテタ監督の考えを推し量る材料として、
CLで誰が先発するかが注目されていました。
そして、この試合で起用されたのがラヤだったことで、
アルテタ監督のファーストチョイスはラヤだとの見方が強まっています。
この選択は非常にグーナー達にとって悩ましいものです。
ラムズデールのチームを鼓舞する熱いキャラクターや
これまでたびたびチームを救ってきたビッグセーブを思うと、
このまま彼がベンチを温めることになるには忍びない。
一方で、ラヤが先発した試合で見せているパフォーマンスは、
アルテタが彼を正GKとするのもうなずける水準です。
次戦のノースロンドンダービーでラヤが先発するのであれば、
やはりアルテタ監督のなかでラヤが正GKということになると思います。
個人的にはラムズデールの貢献が鮮烈に記憶に残っているだけに、
ついラムズデールにチャンスをと考えてしまいますが、
果たして今後どのようになっていくのでしょうか。
今宵に迫ったノースロンドンダービーでの選択に注目です。
トピック③ 攻撃陣の充実
PSV戦は、サカ、ジェズス、トロサールの全員がゴールを決め、
ウーデゴールも得点を挙げるなど、
アーセナルの攻撃陣の充実を物語る結果となりました。
エバートン戦でのマルティネッリの負傷はチームにとってマイナスでしたが、
それを補ってあまりある陣容を構築できています。
CFにはエンケティアもいますし、
この試合ではネルソンやスミス=ロウらもCLデビューを果たすなど、
チームの総合力も底上げされていっています。
あとはハヴァーツがもう少しチームにフィットしてくれば、
さらに前線は厚みを増していくことになるでしょう。
PSV戦では早めに試合を決定づけて、
トロサールやサカを早めに休養させることもできたので、
この勢いをそのままノースロンドンダービーにぶつけてくれるのではと、
攻撃陣への期待が一層高まります。
現在の立ち位置と次の試合(日本時間)
アーセナルがPSVに快勝した一方で、
ランスとセビージャは1-1のドロー。
単独首位となったアーセナル、上々の滑り出しです。
チャンピオンズリーグで次に戦うのはアウェーでのランス。(10月4日)
それまでに乗り越えなくてはいけないのが、
スパーズとのノースロンドンダービーです。
プレミアリーグ第6節 アーセナルvsスパーズ【9月24日(日)22:00 KO】
CLとの並走の中で迎える大一番。
互いにここまでリーグ戦は4勝1分で来ている状況で、
スパーズもポステコグルー新監督のもとで好調さがうかがえます。
ケインという大黒柱がバイエルンに去ったなかでも、
マディソンとソンが攻撃の中心となって、
攻撃的なフットボールを展開しています。
昨シーズンはダブルを達成していますが、
今シーズンも格の違いを見せることができるのか、
まさに真価を問われる一戦です。
ウーデゴールが契約延長を発表するなど、
アーセナルを取り巻く雰囲気はポジティブ。
内容云々よりも勝利、絶対に勝利です。
カラバオカップ3回戦 ブレントフォードvsアーセナル【9月28日(木)3:45 KO】
タイトな日程のなかでのカラバオカップ。
昨年はブライトンの三苫薫にやられて3回戦で敗退しています。
カラバオカップの優先順位は高くないでしょうし、
ノースロンドンダービーの疲れもたまっているはずです。
個人的にはスミス=ロウなど出場機会が限られている選手たちを
積極的に起用していってほしいと思います。
ちなみに、ブレントフォードからローン移籍しているラヤは、
この試合に出場できるとのこと。