【アーセナルの試合を毎節レビュー】
フットボールの母国・イングランドに、
人々を惹きつけてやまないクラブがあります。
そのクラブの名は、アーセナルFC。
アーセン・ヴェンゲル氏が築き上げた栄光の時代から、
希望の見えない闇の時代を耐え抜き、
ヴェンゲル氏の系譜を継ぐアルテタ監督のもとで
再び黄金時代を迎えようとしています。
躍進と失速を味わった昨シーズンから、
再び頂点を目指すアーセナルの試合を、
当ブログでは毎節自由にレビューしていきます。
ヴェンゲル政権末期からのグーナー達に救いあらんことを。
【試合結果:1-0の敗戦】
Bayern vs Arsenal 2023/24. All UEFA Champions League match i…
![](https://moviedeliberative.com/wp-content/uploads/2024/04/image-5.png)
アストンヴィラ戦での手痛い敗戦から、
ほどなくしてCLのバイエルン戦を迎えます。
厳しい状況かつ難しいアウェー戦ですが、
CLベスト4という更なる高みへチームがたどり着けるか、
実力を試される一戦です。
スタメンとなったのはGKラヤ、
DFラインにホワイト、サリバ、マガリャンイス、冨安、
中盤にウーデゴール、ジョルジーニョ、ライス、
前線にはサカ、ハヴァーツ、マルティネッリの11人。
発煙筒の煙がスタジアムに満ちる中、
ビッグゲームの幕が開きます。
スタメンに変更を加えてきたアーセナルですが、
バイエルンがアーセナルをリスペクトするような、
非常に慎重な戦いぶりで臨んできたこともあり、
序盤はボールを持って試合を進める展開に。
マズラウィとゲレイロを縦に並べ
サカへの対策を施してきたバイエルンに対し、
アーセナルは攻撃のチャンスを作るのに苦労しますが、
30分のウーデゴールのミドルシュート、
31分のマルティネッリのGKノイアー正面へにシュートなど、
度々ゴールに迫る場面を作り出しました。
バイエルンにもチャンスを許したものの、
前半はほぼ互角の展開で終了します。
後半に入ると、前半と比べてエナジーを失っていったアーセナルは、
バイエルンの攻勢を受ける形となり、
63分にはキミッヒの先制ゴールを許してしまいます。
67分にアルテタ監督はマルティネッリ、ジョルジーニョを下げ、
トロサールとジェズスを投入。
選手交代から流れを変えたいところでしたが、
バイエルンは堅実なプレーでアーセナルの攻撃を封じ込めます。
この日のアーセナルは連戦による疲れなのか、
得点を奪わなければいけない場面でも勢いを取り戻せません。
最後までバイエルン相手に攻撃の活路を見出すことができず、
1-0のままタイムアップ。
2戦合計3-2のスコアで、
アーセナルはCL準々決勝敗退となりました。
トピック① CL敗退は貴重な経験か?
この試合の結果により、
アーセナルはCL準々決勝敗退。
いちファンとしては非常に悔しい結果でしたし、
準決勝に進むチームの姿を見たかったと感じます。
一方で、この敗戦を悲観的に捉える必要はないというのも、
ここまでのアーセナルの歩みを見ていると感じる部分です。
久しぶりに出場したCLで、
これまで長く突破できていなかったベスト16を突破し、
過去にはかなり実力差のあったバイエルンに肉薄。
これまでの成長曲線を考えれば
今回の結果は悔しいながらも十分な結果であり、
今回の敗戦で見えてきた様々な課題にどう対処していくのか、
CLに関してはその点にフォーカスし、
来シーズン以降に臨んでほしいと思います。
トピック② 試合巧者だったバイエルン
さて、アーセナルは自慢の攻撃を封じ込められ、
なんとも消化不良な印象での敗北を強いられました。
アーセナルの疲労という問題はありながらも、
印象的だったのはバイエルンの試合運びの巧みさです。
アーセナルの脅威を十分に理解し、
ストロングポイントを抑え込む的確なアプローチで、
慎重かつ丁寧な戦いを実現していました。
リーグでは苦しんでいるようですが、
流石にトゥヘル監督のチームは試合巧者でした。
CLの大舞台で、こうした堅実な戦いぶりが見せられるような、
熟練のビッグチームとして
アーセナルにも成長していってほしいですね。
一方、アーセナルにとって課題なのは、
自分たちの良さを消されたときにどう対処するのか。
アストンヴィラ戦もそうですが、
対戦相手はアーセナルの良さを消す戦いを選択することが多くなりますので、
その相手をどう上回るか、非常に難しい問題です。
言うは易く行うは難しですが、
チームがより高いレベルに到達するプロセスを、
楽しみに見ていきたいと思います。
トピック③ 選手のマネジメント
そして、やはり大きな課題だと感じるのは、
選手のマネジメント。
アルテタ監督の固定的な選手起用は、
チームの練度を高めるという点では有効かもしれませんが、
プレミアリーグとチャンピオンズリーグを並走する
ビッグクラブの戦い方としての限界も感じさせます。
実際、チームはここにきて疲労の色が隠せない印象で、
パフォーマンスの低下は否めません。
スカッドを充実させるとは言っても、
ベンチまで全員を超一級にするのは容易ではないですし、
現有戦力を如何に最大限活用していくのか、
その点は今シーズンに限らず来シーズン以降も重要な課題です。
その点はクロップ監督のやり方などに学ぶことができないか、
アルテタ監督やチームの今後の対応に期待しています。
現在の立ち位置と次の試合(日本時間)
さて、今シーズンのCLは終了。
振り返れば非常に面白い戦いを重ねてきましたが、
来シーズンもCL出場は間違いないところですので、
今大会の課題を次につなげていってほしいですね。
なおシティはレアルにPK戦の末に敗れ、
CLではプレミア勢は全滅しています。
ここからはリーグ戦に集中ということで、
次の2試合は以下の通りです。
プレミアリーグ第34節 ウルヴズvsアーセナル【4月21日(日)3:30 KO】
コンディションが万全ならば勝利できる戦いですが、
アルテタ監督がどのような選手起用を見せるか、
その点に注目が集まります。
個人的にはパーティーやスミス=ロウなど、
出番を待っている選手たちにチャンスを与える好機ではないかと思っています。
プレミアリーグ第29節(延期分)アーセナルvsチェルシー【4月24日(水)4:00 KO】
さて、非常にタイトな日程が続きますが、
チェルシーとのビッグロンドンダービーも控えています。
今シーズンは結局浮上してこないチェルシーではありますが、
こういう時に限って立ちはだかってくる印象もあります。
タイトルのためにはどの試合も負けられませんが、
特にチェルシーには勝利を収めてほしいと思います。