アーセナルの試合を毎節レビュー
当記事をお読みいただきありがとうございます。
このブログでは、
ヴェンゲル政権末期からのグーナーが、
プレミアリーグでのアーセナルの試合結果を
毎節レビューしていきます。
忙しくてなかなか試合をフルで観られない人でも、
この記事を読むだけでアーセナルのトピックスがフォローできますので、
ぜひご一読ください。
今回の試合は、
2022-23シーズン・プレミアリーグ第20節、
トッテナムvsアーセナルです。
試合結果
スタメン・試合結果詳細は以下リンクから。
Read about Spurs v Arsenal in the Premier League 2022/23 sea…
アーセナルは前節、
ニューカッスルとのホームゲームを0-0のドローで終えました。
その後のFAカップ3回戦では、
エルネニー、エンケティアらのゴールで0-3の快勝。
サカ、マルティネッリらをFAカップでスタメン起用したことで、
疲労感のところが気になりますが、
ノースロンドンの覇者として、
スパーズにシーズンダブルを決めることができるか、
順位に関係なく重要なダービーが始まります。
前半
この試合のスパーズはクルゼフスキがスタメン入りし、
ホーム試合の意地を見せるかのように、
積極的なスタンスで試合に入りました。
一方のアーセナルも、
今シーズンの大きな強みである、
前線からの質の高いプレッシングで受けて立ちます。
序盤のオープンな展開のなかで、
先制に成功したのはアーセナルでした。
トーマスからのスパーズ背後への長いボールにサカが走り込み、
エリア内でのセセニョンとの対峙から、
角度のないところで右足で蹴ったボールを、
ロリスがストップしきれずにネットを揺らしました。
結果的にはロリスのOGとの扱いになりましたが、
サカのプレーがアーセナルに貴重な先制点をもたらします。
このゴールセレブレーションの由来について、
普段からチームの中でバスケットの話をよくしていて、
ラムズデールにシュートを撃てといつも言われているから、
と試合後にウーデゴールが語っています。
勢いにのるアーセナルは、
守備局面でも焦らず慌てず、
非常に成熟した試合運びを見せます。
24分にはトーマスのダイレクトシュートが
ゴールポストに直撃する惜しいシーンもありました。
さらに36分、サカからのパスを
中央のバイタルエリアで受けたウーデゴールが、
左足一閃のミドルシュート。
ロリスはこれを止めることができず、
アーセナルは0-2とリードを広げました。
アーセナルはこのまま2点のリードを保って、
後半へと試合をすすめます。
後半
両チームともハーフタイムでの交代はなく、
試合後半が始まりました。
後半はスパーズが攻撃の勢いを増す展開になりますが、
そこに立ちはだかったのが守護神ラムズデール。
51分のケインのシュート、
52分のセセニョンのシュートなど、
スパーズの決定機をことごとく阻止する活躍を見せます。
スパーズは71分にリシャルリソンを投入し、
76分にはペリシッチを投入して
得点を奪いに行きますが、
アルテタも79分にティアニー、
86分に冨安を投入して試合の締めくくりを図ります。
ラムズデールの神がかり的なビッグセーブに加え、
途中交代の選手たちの奮闘もあり、
アーセナルは最後まで得点を許さず0-2。
ノース・ロンドンのライバルを相手に、
文句なしの快勝を納め、
13-14シーズン以来のシーズンダブルを達成しました。
試合のトピックス・注目ポイント
トピック① 2013-14シーズン以来のシーズンダブル
この試合で圧巻のクオリティを見せつけたアーセナル。
スパーズの本拠地で勝利したのは、
なんと9年ぶりで、
2014年のホワイトハートレーンでの試合以来とのこと。
シーズンダブルも当然それ以来の出来事です。
最後に勝利した試合に名を連ねた選手の1人が、
いまやチームに再び大きな希望をもたらしているアルテタ、
というのが何とも嬉しい巡り合わせですね。
ポチェッティーノ監督就任以降のスパーズと、
ヴェンゲル政権末期~エメリ政権のアーセナルと、
近年ではスパーズ優位の時代が長く続いてきました。
それがいまは、
まだまだ強くなっていきそうなアーセナルと、
下降線をたどっているスパーズという、
真逆の立ち位置になってきているように感じます。
長くアーセナルを観てきたファンにとって、
これは長いトンネルを抜け出したような、
かなり感慨深い出来事なのではないでしょうか。
10月の対戦での勝利も非常にポジティブでしたが、
このアウェー戦での勝利は、
歴史の転換点として、
またアーセナル復活を決定づける試合として、
後世に語り継がれる格別なものになりました。
トピック② スパーズを圧倒したチームのクオリティ
この試合が格別の意味を持つのは、
これが単なる勝利ではなく、
クオリティの面で明らかにスパーズを凌駕していたからでしょう。
エンケティアも大きく貢献した
質の高い前線からのプレッシングや鋭いカウンター、
ジンチェンコ加入により質の高まった
丁寧かつスキルフルなビルドアップ、
サリバやマガリャンイスを中心に
冷静さを失わない堅固で選手層の厚い守備陣、
サカやマルティネッリら高い個人能力での突破力、
この試合、特に前半のクオリティには目を見張るものがありました。
名将コンテにここまで言わしめた、
アルテタをはじめとするアーセナルのチーム作りには、
今後も期待が高まります。
【欧州・海外サッカーニュース】トッテナムはホームで宿敵アーセナルに0-2で敗れた。…
トピック③ ラムズデールの大活躍
この試合で忘れてはいけない、
むろん忘れられようはずもない活躍をみせたのが、
GKのラムズデール。
セーブ数は7セーブで、
データサイト『Sofa Score』によれば、
この試合のラムズデールは2.41点分のシュートを防いでいたようです。
ラムズデールのビッグセーブは
これまでもチームを幾度となく救ってきましたが、
ダービーで別格のパフォーマンスを見せつけるところに、
ファンを惹きつける選手だなと改めて感じます。
彼の加入も、アルテタアーセナルの強さを支える
本当に大きなファクターになっていますね。
また、当然この試合のMOMに選出されています。
また試合終了後には、
柵を乗り越えてきたトッテナムサポーターに
ラムズデールが背中を蹴られる事件が発生しています。
このサポーターは特定されスタジアム出禁になるかと思いますが、
再発防止のため最善の措置を講じてほしいと願うばかりです。
ラムズデールがこのままアーセナルのレジェンドに
なっていくようであれば、
ゴールを止めすぎて相手サポーターに蹴られた
このエピソードもある種伝説のようになるかもしれません。
15日に行われたプレミアリーグ第20節のトッテナム対アーセナルで、サポーターが選手の背中に蹴りを入れる愚行を起こした。…
現在の立ち位置と次の試合(日本時間)
プレミアリーグの順位
ここまで書いてきた内容以外にも、
リシャルリソンとの器の大きさの違いを示した冨安とか、
試合後にダッシュでジャカを制止しにいくアルテタとか、
いろんなトーキングポインツがあった試合でしたが、
「ジャカを止めるためのアルテタの走りは2023年のハイライトだ!」 アーセナル指揮官がトッテナム戦後に見せた“必死な”振…
日本代表DF冨安健洋は現地時間1月15日、プレミアリーグ第20節トッテナム戦(2-0)に後半40分から途中出場した。ノー…
アーセナルは見事にスパーズを下し、
ライバルにシーズンダブルを決めました。
非常に濃密かつ喜びの深い試合でしたが、
他会場の試合結果もアーセナルに追い風。
ノース・ロンドン・ダービーの前に
マンチェスターダービーがあり、
ユナイテッドがホームで2-1の勝利を収めました。
その結果、シティとの勝ち点差は8に拡大しています。
ワールドカップ再開後は、
勝ち点を落としたのはニューカッスル戦のドローのみ、
5戦4勝と非常に良い結果です。
このまま独走を続けたいところですが、
次戦に迎えるのは前回対戦で敗れているユナイテッドです。
プレミアリーグ第21節 アーセナルvsマンチェスターユナイテッド【1月23日(月)1:30 KO】
今シーズンのアーセナルのリーグ戦唯一の敗戦が、
9月5日のオールドトラフォードでのユナイテッド戦でした。
アーセナルにとっては不調のユナイテッドに
足元をすくわれた試合でしたが、
今のユナイテッドはその時よりもかなり好調です。
ロナウドの退団を巡る混乱がありながらも、
テン・ハーグ監督の戦術が徐々に浸透してきた結果、
気が付けばシティにも勝利するほどのところまで来ています。
好調なチーム同士、
非常に難しい相手になりそうですが、
前回の敗戦のリベンジを果たすことができれば、
タイトルにまた一歩近づける非常に楽しみな大一番です。
FAカップ4回戦 マンチェスターシティvsアーセナル【1月28日(土)5:00 KO】
オックスフォードに勝利したアーセナルですが、
4回戦でシティと当たる因果な展開になりました。
選手の疲労を考えると
お互いある程度メンバーを落として臨む可能性がありますが、
来たるべきリーグ戦に向けた前哨戦なのか、
ここでガチに勝利しにいくのか、
リーグ戦ではいまだ対戦が無い分、
この試合がどう活用されるのか非常に興味深いです。
ムドリクはチェルシーへ…
当ブログでもしばしば取り上げてきた、
シャフタール・ドネツク所属のムドリク。
アーセナルとの交渉大詰めかと報道もありましたが、
急転チェルシーへの移籍決定が15日に報じられました。
総額1億ユーロ(約139億円)という高額の移籍金となったようです。
アーセナル愛をアピールしていた選手のチェルシー行きですが、
ムドリクがあまり嬉しそうな表情をしていないのが、
この移籍を物語っていると考えてよいでしょうか。
それにしても、
アメリカ人実業家トッド・ベーリー氏の新オーナー陣体制、
ポッター監督の移籍騒動をはじめ非常に強引な印象です。
フットボールも資本主義の世界ですが、
そこまでなりふり構わずやって今の順位では、
チェルシーというクラブにとっていいのか悪いのか。
シャフタール・ドネツクも義理を欠く取引だったなと、
後味の悪い残念な出来事でした。
ここで節約できた分、
アーセナルが誰を代わりに狙いに行くのか、
注視していきたいと思います。
アーセナルファンにおすすめの書籍
現在のアーセナルの土台を築いた、
アーセン・ヴェンゲル。
彼の功績を知ることで、
アルテタ監督が率いる今のアーセナルを
もっと深く理解することができます。
アーセナルファンなら必読ともいえる書籍をご紹介しますので、
興味がある方はぜひ以下リンクより手に取ってみてください。
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プレミアリーグ第21節の結果はこちら
目次 1 アーセナルの試合を毎節レビュー2 試合結果2.1 前半2.2 後半3 […]…