アーセナルの試合を毎節レビュー
当記事をお読みいただきありがとうございます。
このブログでは、
ヴェンゲル政権末期からのグーナーが、
プレミアリーグでのアーセナルの試合結果を
毎節レビューしていきます。
忙しくてなかなか試合をフルで観られない人でも、
この記事を読むだけで
アーセナルのトピックスがフォローできますので、
ぜひご一読ください。
今回の試合は、
2022－23シーズン・プレミアリーグ第33節、
マンチェスター・シティvsアーセナルです。
第33節の試合結果
スタメン・試合結果詳細は以下リンクから。
Read about Man City v Arsenal in the Premier League 2022/23 …
直近3試合連続ドローのアーセナルに対し、
連勝街道で勝ち点差を縮めるシティ。
リーグの覇権をめぐって争ってきた両チームによる、
タイトルの行方を左右する直接対決が始まります。
ホームのシティはデブライネやハーランドなど、
ほぼベストメンバーでの布陣。
一方のアーセナルはサリバが欠場で、
ホールディングが引き続きスタメンに入ります。
また、前節病欠したジャカが先発に復帰しました。
前線はマルティネッリ、ジェズス、サカの3枚です。
前半
試合は開始7分に動きました。
ホールディングとの競り合いを制して、
ハーランドが自陣後方からの長いクリアボールを完璧に収めると、
走りこむデブライネにパスが出ます。
デブライネは数人のDFに囲まれながらも、
ドリブルで運んでエリア外から右足のインサイドでシュート。
ラムズデールの手も届かず、
グラウンダーのボールがネットを揺らしました。
アーセナルはこの試合も守備的に入ることなく、
自分たちのプレースタイルでシティに臨みますが、
シティの守備に封じられ十分なチャンスを作ることができません。
シティに試合の主導権を握られる中で、
ラムズデールの好セーブなどもあって、
点差は1点のまま推移していきます。
しかし、前半のアディショナルタイム、
FKの場面でデブライネのクロスからストーンズのヘディング。
当初はオフサイドの判定でしたが、
VARの結果オンサイドが認められ、
アーセナルは2-0とリードを広げられてしまいました。
後半
両チームともハーフタイムでの交代はなく、
試合後半が始まります。
1点を返して試合の流れを取り戻したいアーセナルでしたが、
次の得点を手にしたのはシティでした。
54分、アーセナルのビルドアップの場面から、
ウーデゴールのトーマスへのバックパスをデブライネがカット。
そのボールを受けたハーランドが前を向いて、
十分にDFを引き付けてからデブライネにパスがでます。
エリア内でリターンを受けたデブライネは、
冷静に右足でのグラウンダーのシュートを沈め、
試合を決定づける3点目のゴールとなりました。
非常に厳しい状態となったアーセナルは、
60分にジャカ→ジョルジーニョ、
マルティネッリ→トロサールの2枚替えを実行。
さらに71分にはウーデゴールに代えてスミス＝ロウ、
80分にはサカ→ネルソン、
ジェズス→エンケティアとサブの選手を投入。
ネルソンは果敢なドリブルでシティの守備をかく乱し、
アーセナルに流れを引き寄せていきます。
86分には右サイドでトロサール、ネルソン、ジョルジーニョと繋いで、
エリア内のトロサールの仕掛けから、
こぼれたボールをホールディングが右足ダイレクトでゴール。
ホールディングのFW顔負けのシュートで1点を返しますが、
90＋5分に髪をなびかせたハーランドがシーズン33得点目、
38試合制の1シーズン最多得点記録となるゴールを決め、
万事休す。
タイトルの行方を決める天王山は、
アーセナルが4-1で敗れる結果となりました。
試合のトピックス・注目ポイント
トピック① タイトルレースは絶望的
この試合の結果を受けて、
アーセナルが33試合・75pの首位、
シティが31試合・73pの2位という順位になりました。
順位表ではアーセナルはまだ首位ですが、
この後に控えるフルハムとの1戦でシティが勝利すれば、
シティに首位の座を明け渡すことになります。
まだ優勝の可能性はゼロではないとはいえ、
この勝利でますます勢いに乗る万全のシティと、
メンタル的にも難しい状況になったアーセナルと、
ここからの逆転劇は考えにくいのが率直なところです。
ハーランド、デブライネといった圧倒的な個の能力と、
成熟したチームとしての練りこまれた戦術と、
これほどのチームを作り上げてきたペップの優れた手腕に、
改めて非常に高い壁を感じる展開となりました。
今シーズン結局アーセナルはシティに勝てませんでしたし、
シティの方が優勝にふさわしいチームであると、
ファンとしては残念ながら認めざるを得ないと感じます。
一方で、今の状況はアーセナルにとって
必ずしも悲観的ではありません。
シティのような石油パワーもない中で、
アルテタ監督は若手選手を主体として、
シティと優勝を争うレベルのチームを作ってきました。
とくに、ヴェンゲル政権末期～エメリ政権を観てきたグーナーにとっては、
あの暗黒期ともいえる時代を乗り越えて、
やっと迎えた希望の時代です。
優勝の可能性が非常に低くなったことは残念ですが、
アーセナルのクラブとしてのプロジェクト自体が
この敗戦によって否定されたわけではありません。
ここはむしろ1シーズン早く優勝争いを経験できたとポジティブに考え、
今シーズンの結果で絶望することなく、
夏の補強でさらにチームをレベルアップさせて、
次こそシティに一矢報いる姿を楽しみにしています。
そう思わなければやっていけないくらい、
辛い敗戦ではありましたが…
トピック② CL出場権は確保
ポジティブ要素として挙げたいのが、
ブライトンがノッティンガムに敗れたことで確定した、
CL出場権です。
最後にアーセナルがCLに出場したのは、
2016－17シーズンが最後。
アーセナルが離れて久しかったあの舞台に再び立つ、
アルテタ監督とクラブのプロジェクトが、
着実に成果につながったと言えます。
アーセナルはCLベスト16が定位置で、
バイエルンに惨殺された記憶など、
正直あまりいい思い出はありませんが、
欧州最高峰の舞台にいることがまずは重要です。
実際、CL出場権があれば、
アーセナルは選手にとってより魅力的なクラブになり、
資金面でもアドバンテージを得られ、
アルテタ監督の望む補強がしやすくなります。
一方、日程が厳しくなる点で選手繰りの難しさが増すため、
チームの選手層にはさらなる厚みが必要。
補強候補としてライスやマウントといった名前も聞こえていますし、
バログンのようなレンタル選手の動向も注視されます。
選手層という点では、
スーパーサブとして存在感を放っているネルソンや、
怪我から復帰したスミス＝ロウの起用法など、
ベンチ選手のさらなる活用にも期待がかかります。
さらにレベルアップした舞台で、
来シーズンのアーセナルがどんな戦いを繰り広げるのか、
今からすでに楽しみです。
トピック③ センターバック問題
この試合結果を受けて、
ホールディングを批判する声が上がり、
彼を放出すべきかどうかの議論が巻き起こっています。
実際、サリバの負傷を受けてホールディングがスタメンに入ってから、
アーセナルの守備はそれまでの堅牢さを失ってしまいました。
実際、リーズ戦からの5試合で、
実に12失点を喫しています。
ただ、サリバと比較したとき、
クオリティ面で見劣りすることは否めないとはいえ、
全てをホールディングの責に帰すのは酷です。
アルテタ監督は守備の綻びが続く状況を受けて、
ホワイトのCB起用や3バックでの布陣など、
柔軟な修正を試しても良かったのではないかとも思います。
チームはまだ戦術の確立期で、
そこまでの柔軟性を持ちえないのかもしれませんが、
サリバの復帰目途が立たない今の状況であれば、
来シーズンに向けた戦術の幅を広げるための試みも、
残りの試合に期待されることの1つと言えます。
現在の立ち位置と次の試合（日本時間）
プレミアリーグの順位
アーセナルとシティの順位は上述の通りで、
シティが優勝に大きく近づいている状況です。
CL出場権争いはニューカッスルとユナイテッドが優勢。
また、エメリ率いるアストンヴィラの好調ぶりが
引き続き話題です。
20試合で勝ち点42を稼いでスパーズに並んでおり、
EL優勝請負人としてまずはEL出場権を確保できるかに
注目が集まっています。
プレミアリーグ第34節 アーセナルｖｓチェルシー【5月3日（水）4:00 KO】
シティに敗れたアーセナルですが、
わずかな優勝の希望を掴むためには、
ここで勝ち点を落とすことはできません。
チェルシーはチームとして混迷を極めており、
直近でも3連敗と最悪の状況です。
アーセナルがマウントやカンテに関心を寄せているという報道もあり、
彼らにアーセナルに来たいと思わせるパフォーマンスを見せられるか、
シーズンダブルもかかる試合になります。
プレミアリーグ第35節 ニューカッスルｖｓアーセナル【5月8日（月）0:30 KO】
チェルシー戦の後にも非常にタフな試合が待っています。
ニューカッスルはCL出場権をかけて、
アーセナルから勝ち点を奪おうと臨んでくるはずです。
ニューカッスルは今シーズン苦戦させられたチームの1つで、
今シーズンのホームでの対戦でも
無得点のドローに終わっています。
ニューカッスルは直近5試合で4勝1敗と好調で、
難しい試合になることが予想されますが、
ここでモチベーションを保って勝利を挙げられるか、
注目の1戦です。
アーセナルファンにおすすめの書籍
現在のアーセナルの土台を築いた、
アーセン・ヴェンゲル。
彼の功績を知ることで、
アルテタ監督が率いる今のアーセナルを
もっと深く理解することができます。
アーセナルファンなら必読ともいえる書籍をご紹介しますので、
興味がある方はぜひ以下リンクより手に取ってみてください。
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