【いざベスト8へ!】チャンピオンズリーグベスト16 2ndレグ アーセナルvsFCポルト 【マッチレビュー】

【アーセナルの試合を毎節レビュー】

フットボールの母国・イングランドに、
人々を惹きつけてやまないクラブがあります。

そのクラブの名は、アーセナルFC。

アーセン・ヴェンゲル氏が築き上げた栄光の時代から、
希望の見えない闇の時代を耐え抜き、
ヴェンゲル氏の系譜を継ぐアルテタ監督のもとで
再び黄金時代を迎えようとしています。

躍進と失速を味わった昨シーズンから、
再び頂点を目指すアーセナルの試合を、
当ブログでは毎節自由にレビューしていきます。

ヴェンゲル政権末期からのグーナー達に救いあらんことを。

【試合結果:1-0の勝利!(Pen 4-2)】

UEFA.com

Arsenal vs FC Porto: all the latest UEFA Champions League Ro…

チャンピオンズリーグ公式サイトより

プレミアリーグで首位に立ったアーセナルが挑む、
非常に大きな試練。

アウェイの地で敗北を喫したFCポルトをホームに迎え、
チャンピオンズリーグベスト8への進出をかけて戦います。

スタメンはGKにラヤ、
DFラインにホワイト、サリバ、マガリャンイス、キヴィオル、
中盤にウーデゴール、ジョルジーニョ、ライス、
前線にはサカ、ハヴァーツ、トロサールの11人です。

この日のアーセナルに求められるのは得点を奪うこと。
1st legの最後に許してしまったガレーノのゴールを帳消しにするため、
ボールを支配して試合に臨みます。

しかし、ポルトは非常に強かなチームで、
エミレーツスタジアムでも果敢に高い位置を取り、
アーセナルを前進させない守備を見せてきました。

サカ、ウーデゴールを中心に攻撃を展開しながらも、
アーセナルはゴールを奪うことができない時間が続き、
一方でポルトも虎視眈々とその裏を狙ってきます。

そうした構図が固まって、
前半もこのまま終了してしまうのかとの雰囲気も漂い始める中、
局面を変えたのはキャプテン・ウーデゴールでした。

41分、トロサールからのパスを受けたウーデゴールが、
トロサールの動き出しを見逃さず、
ポルトのディフェンダーたちの間を通す絶妙なスルーパス。

ボールを受けたトロサールは、
持前の決定力でグラウンダーのシュートを決めて見せました。

エミレーツスタジアムに歓声を巻き起こし、
アグリゲートスコアを同点としたチームは、
そのまま前半を終了します。

両チームともハーフタイムでの交代はなく、
試合は後半へ突入しました。

後半は両チームの守備陣が奮闘し、
拮抗した時間が続きます。

ポルトのカウンターに肝を冷やす場面もあれば、
ポルトのGKジオゴ・コスタのセーブに好機を防がれる場面や、
キヴィオルの守備が光る場面もありました。

ハヴァーツと相手GKが絡む場面から
ウーデゴールがネットを揺らしたシーンは、
結局ゴールが認められず判定に疑問符。

そうして時間が過ぎていくうちに、
90分間の試合が終了となり、
いよいよ勝負をかけた延長戦を迎えます。

アーセナルは90分の間にジョルジーニョ→ジェズスの交代のみでしたが、
延長戦の後半にトロサール、キヴィオルに代わって
エンケティア、ジンチェンコを投入。

お互いに疲れも見える中、
延長戦でも勝敗はつかず、
試合はPK戦へともつれ込むことになりました。

コイントスの結果、
ホームサポーターの大声援を受けられるサイドで、
アーセナルが先攻を務めることになりました。

一番手はウーデゴール。

大きなプレッシャーのかかる場面で力強いシュートを決め、
チームに勢いをもたらします。

ポルトのMFペペが決め1-1としますが、
アーセナルの2番手ハヴァーツは、
PKの名手の名に恥じないキックで2-1。

続くポルトのウェンデルのシュートを
ラヤが見事な反応でストップすると、
スターボーイ・サカも確実に仕事をし、
PKのスコアは3-1となります。

ポルトのグルイッチが決めた後の
アーセナルの4番手はライス。

彼は決めるだろうという圧倒的な信頼感の通り、
4-1としてポルトにプレッシャーをかけます。

ポルトの次のキッカーはガレーノ。

止めればチームの勝利が決まる場面で、
1st legでポルトに勝利をもたらすゴールを決めた選手を相手に、
Gkラヤが素晴らしいストップを見せました。

これによってアーセナルの勝利が確定し、
エミレーツスタジアムは歓喜の渦に包まれます。

苦しい時間帯の続いた試合を制し、
チームは14年ぶりのベスト8を決めました。

トピック① 難敵FCポルト

今回対戦したポルトは本当に難敵でした。

コンセイソン監督の現実的なアプローチにより、
アーセナルの持ち味である流動的で創造性のある
攻撃力を発揮させず、
延長戦までを通じて1点のみに抑え込みました。

ベテランCBペペと若手CBオタヴィオのコンビも屈強で、
アーセナルは2試合を通じて苦渋を飲まされるような時間が続きました。

彼らの勝利のためにはダーティーさも厭わない姿勢は、
ノックアウトステージだからこその厳しさといえます。

今のアーセナルの好調さを考えると、
総じてポルトのチームとしての出来は非常に優れていました。

さらにいえば、主審のクレマン・トゥルパンのジャッジも
アーセナルには逆風
で、
ウーデゴールの追加点取り消し以外にも、
ファウルの基準に首をかしげる判定が続きました。

その難敵・逆境を退けたところに、
チームのこれまでの成長が強く感じられました。

アルテタ監督が率いるチームは、
逆境を乗り越える力強さを確かに備えています。

それこそまさに、
私が今までアーセナルを見てきたなかで、
チームにもっとも足りないと感じていた要素であり、
今のチームが持つ最も優れた資質なのではないかと思います。

試合後、アルテタ監督から侮辱を受けたと
コンセイソン監督が難癖をつけていることなどを踏まえると、

ポルトは決してグッドルーザーとは言えない対戦相手ではありましたが、
チャンピオンズリーグの舞台で相まみえるにふさわしい難敵でした。

トピック② 個々の選手たちの奮闘について

この試合で印象的だったのは、
左サイドバックを務めたキヴィオルの守備でした。

アーセナルが彼を獲得したとき、
ポーランド代表でも傑出した身体能力を持っているといった趣旨の
選手紹介を目にした記憶があり、

またアーセナルに来てからも
ベジェリンが持っていたショートスプリントの記録を
彼が更新したといったニュースを見た覚えがありますが、

この試合ではまさにそれを実感しました。

ジンチェンコの穴をいつの間にか
しれっと埋めているところに、
彼のすごさを改めて感じます。

また、先日契約延長に合意したと発表されたベン・ホワイトも、
本当に素晴らしいパフォーマンスを見せています。

アーセナルに来て以降、
どんどんと攻撃面での良さが目立ってきている印象があり、
クロスもうまければミドルシュートも決める、
万能な選手になりつつあります。

また、1つ前の記事でも書きましたが、
ハヴァーツ、ライスのパフォーマンスも素晴らしかったですね。

ハヴァーツへのロングボールはすでにチームの重要な武器ですし、
ライスも攻守に広くチームを支えていました。

何より、二人ともPKを外す気配が全くなく、
その技術・精神力は今回の勝利に欠かすことのできないものでした。

そして、忘れてはならないのがキャプテン・ウーデゴール。

120分間絶え間なく走り続け、
PK戦の1人のキッカーとして力強いシュートを決め、
チームの勝利を勝利に導いたそのプレーは、
まさにチームの偉大なるキャプテンです。

もちろん、見事なPKストップを2度も見せたラヤも
この勝利の一番の立役者
ですし、
まさにチーム全員と、スタジアム全体でつかんだ素晴らしい勝利でした。

トピック③ いざベスト8へ

さあ、いよいよアーセナルが14年振りのベスト8の舞台へ。

リーグ4位、CLベスト16が定位置といわれた時代も
もう過去のものですね。

ということでアーセナル以外のチームを見ると、
以下のようになっています。

スペイン:バルセロナ、レアル・マドリー、アトレティコ
イングランド:マンチェスター・シティ
ドイツ:バイエルン、ドルトムント
フランス:PSG

お馴染みのメンバーの中に、
アーセナルが割って入っている形です。

組み合わせ抽選は今夜予定されていますが、
果たしてどのチームとの対戦になるのでしょうか。

やはり因縁深いのはバイエルン、バルセロナあたりで、
嫌な記憶しかないのが正直なところですが、
今のアーセナルがどこまでできるのか見たいと思ってしまいますね。

それ以外だとシティvsバルセロナは
ペップvsシャビの師弟対決として見てみたいカード
です。

もはやどこと当たってもビッグゲームなので、
純粋に楽しんでみていきたいと思います。

現在の立ち位置と次の試合(日本時間)

チャンピオンズリーグベスト16という山を越え、
次の試合までしばらく間が空きます。

チェルシー戦が延期となったほか、
代表ウィークもあるため、
次の対戦はほぼ月末、
しかもリーグタイトルを左右するビッグゲームです。

間が空きすぎるのもどうかという気もしますが、
そこから先はかなりハードスケジュールになります。

シーズン終盤にかけてノンストップな時間が続きますが、
1試合ずつを着実に勝利していってほしいですね。

タイトな日程の中で、
まだ十分に輝きを見せられていない選手たちや、
負傷で離脱していた選手たちにも、
力を発揮してもらう場面も来るはずです。

プレミアリーグ第30節 マンチェスター・シティvsアーセナル【4月1日(月)0:30 KO】

ここで勝つと本当にリーグタイトルも現実になるような、
非常に非常に大きな試合です。

10月のエミレーツスタジアムでの試合は1-0で勝利。

敵地ではありますが、
今のアーセナルならば勝利も十二分にありえます。

2週間後なのが酷なほどに楽しみな試合となります。

プレミアリーグ第31節 アーセナルvsルートン・タウン【4月4日(木)3:30 KO】

シティ戦の結果がどうあれ、
順位・戦力差を考えるとポイントを落とせない試合です。

ルートンといえばサンビ・ロコンガがレギュラーとして
高評価を受けているとの記事を目にしました。

アーセナルでの将来にかかわらず、
1選手として能力を発揮できる環境を見つけられたのだとすれば
これ以上のことはないと思います。

前の試合の結果(プレミアリーグ第28節)

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目次 1 【アーセナルの試合を毎節レビュー】2 【試合結果:0-0のドロー】3 […]…