【マッチレビュー】プレミアリーグ第27節 フルハムvsアーセナル 【ロンドンの覇者】

アーセナルの試合を毎節レビュー

当記事をお読みいただきありがとうございます。

このブログでは、
ヴェンゲル政権末期からのグーナーが、
プレミアリーグでのアーセナルの試合結果を
毎節レビューしていきます。

忙しくてなかなか試合をフルで観られない人でも、
この記事を読むだけで
アーセナルのトピックスがフォローできますので、
ぜひご一読ください。

今回の試合は、
2022-23シーズン・プレミアリーグ第27節、
フルハムvsアーセナルです。

その前に、日本時間3月10日に行われた、
ELスポルティング戦の結果について触れます。

ヨーロッパリーグ ベスト16 1st.leg スポルティングvsアーセナル

2-2のドロー

Match build up and reaction from Sporting CP V Arsenal | Arsenal.com

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アーセナルはこの試合、
選手をローテーションして臨みました。

CBにはキヴィオルが初先発を務めたほか、
前線にはボーンマス戦で活躍したネルソンを起用。

体調不良で欠場したウーデゴールのポジションには
ファビオ・ヴィエイラが入ります。

試合はメンバーを入れ替えた影響もあってか、
アーセナルは攻守に精彩を欠く内容となりました。

サリバのゴールで22分に先制しながら、
そこから前半のうちにCKから簡単に同点にされると、
55分にはパウリーニョのゴールで逆転されます。

62分に守田のOGで同点に持ち込みましたが、
結果は2-2のドローに終わりました。

スタメン組とサブ組のチーム力の差は大きい、
そんな印象が否めない試合でしたが、
負けなかったことは評価できる一戦でした。

またこの試合で冨安は64分からピッチに投入され、
守田との日本人対決が実現しています。

日本時間3月17日早朝に控えるセカンドレグでは、
サブ組の選手たちのさらなる奮起に期待がかかります。

第27節の試合結果

スタメン・試合結果詳細は以下リンクから。

Read about Fulham v Arsenal in the Premier League 2022/23 se…

アーセナルはボーンマス戦で負傷交代していたトロサールがトップに入り、
さらにジェズスが長い離脱から復帰してベンチ入りを果たしています。

一方のフルハムは古巣対決となるレノが先発、
ウィリアンは負傷により欠場となりました。

また試合前にはシティがパレスに勝利しており、
アーセナルにはタイトルレースのプレッシャーがのしかかる一戦です。

前半

この試合、特に前半はまさにアーセナルの独壇場でした。

戦術的な意図がはっきりしない曖昧な姿勢のフルハムに、
アーセナルは得意のパスワークで襲い掛かります。

試合が動いたのは21分。

CKでのトロサールのキックに対して、
GK前の密集でマガリャンイスが競り勝つ形で、
アーセナルはセットプレーから先制に成功します。

攻めの手を緩めないアーセナルはさらに26分、
ジャカのパスを受けた左サイドのトロサールが
エリア内でのドリブルの仕掛けからクロス。

マルティネッリがフルハムDFのロビンソンの前に入り込み、
落ち着いて頭で合わせて2-0とフルハムを突き放しました。

試合を完全に掌握したアーセナルは、
前半アディショナルタイムの45+2分に3点目を奪います。

フルハムの長いスローインを奪った流れから、
マルティネッリのパスからトロサールが中央にクロスを上げると、
それを受けたウーデゴールが細かいタッチでDFをかいくぐり、
左足でのシュートをネットに突き刺しました。

アーセナルは前半のうちに0-3と試合をほぼ決定づけ、
中でもトロサールは3アシスト
と、
怪我明けとは思えない高いパフォーマンスを披露しました。

後半

ハーフタイムでの選手交代はなく、
試合は後半へ。

フルハムも開き直ってアグレッシブさを徐々に取り戻し、
攻撃のチャンスを作っていきます。

68分にはA・ペレイラからデコルドバ=リードにシュートを許すも、
これはラムズデールがきっちりとセーブ。

69分にはCKからのミトロビッチのヘディングシュートが
クロスバーを直撃するも得点にはつながりませんでした。

リードを保ったアーセナルは72分以降で選手交代を進め、
77分にはトロサールに代わってジェズスがピッチに立ちます。

85分にはジェズスの華麗なポストプレーから、
ヴィエイラがドリブルで持ち上がり、
ジェズスにラストパス。

ジェズスのシュートはレノに阻まれますが、
復帰早々に期待感のあるプレーを見せました。

後半の追加点こそなかったものの、
アーセナルは0-3と完全勝利。

シティとの勝ち点差は5p、
アーセナルの好調と充実を見せつける結果となりました。

試合のトピックス・注目ポイント

トピック① 多彩なる攻撃陣

特筆すべきパフォーマンスを見せたのが、
前半のうちに3アシストを記録したトロサール。

アウェーで前半のうちにアシストハットトリックを達成した、
プレミアリーグで最初の選手
となりました。

さらに、プレミアの同一シーズンで
ハットトリックとハットトリックアシストを決めた選手は、
12/13シーズンのカソルラ選手以来。

カソルラはアーセナルのなかでも特別愛された選手で、
そのカソルラと並ぶ記録というのは、
グーナーたちにとって一層感慨深いものがあります。

冬の移籍市場でトロサールを獲得したことは
素晴らしい判断だったと、
この先何度思わせてくれるのかが
今から楽しみでなりません。

また、チームの好調さを物語るのが、
攻撃陣が今シーズン残している数字。

マルティネッリ 12G 2A
サカ 10G 9A
ウーデゴール 10G 7A
トロサール 8G 8A

欧州5大リーグの中で、
2桁得点を挙げている選手が3人いるチームは、
アーセナルとPSGのみ。

PSGのメッシ、エンバペ、ネイマールと同様の記録を、
アーセナルのサカ、マルティネッリ、ウーデゴールが記録している。

彼らのキャリアや年齢の対比を考えると、
より一層そのスゴ味が感じられます。

もう1つ忘れてはいけないトピックが、
W杯での負傷から復帰したジェズス。

出ずっぱりで疲労の色も感じさせるサカの代わりに
右サイドでジェズスを起用することもでき、
前線の選択肢がより豊富になることが予想されます。

エンケティアやトロサールをはじめ、
チーム全体でジェズスの不在をカバーできたことも、
今シーズンのアーセナルの強さを象徴する
出来事でした。

ジェズスも復帰し、いよいよ多彩なアーセナルの前線。

シーズン終盤のタイトルレースにあって、
アーセナルの未来は非常にポジティブです。

トピック② 紛れもないロンドンの覇者

今シーズンのアーセナルは、
アウェイでのロンドンダービー5戦を、
すべてクリーンシートで勝利しています。

具体的には、パレス、ブレントフォード、
チェルシー、スパーズ、今回のフルハム。

これはプレミアリーグ史上初の記録となっています。

アウェーのダービーで強いイメージが全くなかったアーセナルが、
ただ負けないだけでなくクリーンシートで5勝しているとは、
本当に隔世の感があります。

今のアーセナルが、
まさしくロンドンの覇者へと成長している
ことを示す、
興味深い観点でした。

さらに、ロンドンフットボールアワードでは、
年間最優秀監督にアルテタ、
年間最優秀選手にウーデゴール、
年間最優秀若手選手にサカ、
年間最優秀GKにラムズデールが
それぞれ選出されています。

こちらもアルテタ・アーセナルの躍進を示す、
喜ばしい結果になりました。

トピック③ アルテタ監督の100勝目

ここまでこの試合が記録尽くしであることを紹介してきましたが、
さらにこの試合はアルテタ監督体制で
100勝目のメモリアルゲーム
にもなりました。

アルテタ監督のチームは改革を成し遂げつつあり、
アーセナルの第二の黄金期ともいえる時代が訪れるかもしれません。

その過程をリアルタイムで見ることができるのは、
今を生きるグーナーたちにとって幸運な特権です。

アルテタ監督と彼のチームが重ねていく勝利を、
これからも見届けていきましょう。

そして、ふとヴェンゲル監督の通算勝利数を調べたところ、
公式戦1235試合で707勝ということで、
ムッシュの偉大さを改めて感じます。

アルテタがこの先ムッシュと並び語られる偉大な監督になることが、
この先の大きな楽しみの1つです。

現在の立ち位置と次の試合(日本時間)

プレミアリーグの順位

プレミアリーグ公式より

今節はアーセナル、シティともに勝利を重ね、
勝ち点差は5のまま推移する結果になりました。

ユナイテッドは1試合少ないですが、
勝利すると仮定してもシティと勝ち点差8ですので、
タイトルレースはいよいよアーセナルとシティの一騎打ちの様相。

リーグ戦は残り11試合、
4月にはシティとの直接対決も残されており、
非常に緊迫した展開が続きます。

充実の攻撃陣でELと並行してのタイトな日程を戦い抜けるか、
アーセナルの総合力が問われるシーズン終盤です。

ヨーロッパリーグ ベスト16 2nd.leg アーセナルvsスポルティング【3月17日(金)5:00 KO】

スポルティングのホームでは2-2とドロー。

もちろん勝ち進みたい試合ではありますが、
ここにリソースを投入しすぎてリーグ戦に影響するのも避けたい、
ジレンマを抱えた試合でもあります。

サブ組と主力組のチーム力の差はアーセナルの課題でもあり、
ここではサブ組の奮起を期待したい状況です。

ポルトガルでの経験を持つファビオ・ヴィエイラや、
ボーンマス戦でチームを救う活躍を見せたネルソン、
グーナーが将来を楽しみにしているスミス=ロウ、
やや微妙な立場にある冨安、ティアニー。

繰り返しになりますが、問われるのはチームの総合力です。

プレミアリーグ第28節 アーセナルvsクリスタルパレス【3月19日(日)23:00 KO】

ELの試合のあとは、
クリスタルパレスとの一戦が待っています。

アーセナルのレジェンド、
パトリック・ヴィエラが率いるパレスは、
現在12位ながら直近5試合で3分2敗と苦戦が続いている模様。

開幕節のアウェー戦では、
マルティネッリのゴールなどで0-2と勝利しています。

それでも前線にはザハやアイェウ、マテタといった曲者がそろっており
昨シーズンの4月には3-0と完封負けを喫した記憶も新しい、
決して油断することのできないチームです。

タイトルレースを争う上では、
決して落とせない重要な試合になります。

アルテタの選手のやりくりに注目しながら、
この試合を楽しみにしたいと思います。

アーセナルファンにおすすめの書籍

現在のアーセナルの土台を築いた、
アーセン・ヴェンゲル。

彼の功績を知ることで、
アルテタ監督が率いる今のアーセナルを
もっと深く理解することができます。

アーセナルファンなら必読ともいえる書籍をご紹介しますので、
興味がある方はぜひ以下リンクより手に取ってみてください。

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