アーセナルの試合を毎節レビュー
当記事をお読みいただきありがとうございます。
このブログでは、
ヴェンゲル政権末期からのグーナーが、
プレミアリーグでのアーセナルの試合結果を
毎節レビューしていきます。
忙しくてなかなか試合をフルで観られない人でも、
この記事を読むだけで
アーセナルのトピックスがフォローできますので、
ぜひご一読ください。
今回の試合は、
2022-23シーズン・プレミアリーグ第37節、
N・フォレストvsアーセナルです。
第37節の試合結果
スタメン・試合結果詳細は以下リンクから。
Read about Nottm Forest v Arsenal in the Premier League 2022…
引き分け以下でシティの優勝が決まる
アーセナルはこの試合、
ホワイト、マガリャンイス、キヴィオルのバックラインに、
中盤でトーマス、ジャカ、ジョルジーニョ、ジャカを同時起用。
前線はサカ、ジェズス、トロサールが務めます。
一方のフォレストはスティーブ・クーパー監督のもと、
残留のために何としても勝ち点が欲しい状況。
ホームのシティ・グラウンドでは
サポーターたちの声援が選手たちを後押しします。
前半
ボールを持つアーセナルは、
5バックで構えるフォレストの守備攻略を試みます。
しかし、得点が奪えない時間が続く中、
19分、ウーデゴールのバックパスをカットした
フォレストのギブス=ホワイトがそのまま持ち上がり、
FWアウォニーへラストパス。
マガリャンイスのスライディングも及ばず、
アウォニーにシュートがネットを揺らし、
アーセナルは先制を許します。
得点後も試合の構図は変わりませんが、
アーセナルは決定的なチャンスを作ることができず、
フォレストがリードを保って前半を終了しました。
後半
後半に入っても試合の流れを引き寄せられず、
アーセナルは63分にキヴィオルとジャカを下げ、
ティアニーとエンケティアを投入します。
さらに70分には
トロサールに代えてファビオ・ヴィエイラを
ピッチに送り出します。
一方のフォレストは
中盤でダニーロ→クヤテと、
守備の強度維持を図る交代を見せました。
アーセナルの選手たちにとっては
フラストレーションが溜まる展開で、
時間だけが過ぎていきます。
フォレストの集中したディフェンスや
豊富な経験を感じさせるGKナバスの好守もあり、
アーセナルは最後まで同点弾を挙げることができず、
試合は1-0でフォレストの勝利に終わりました。
試合のトピックス・注目ポイント
トピック① アーセナルの優勝は来シーズン以降に
アーセナルがフォレストに敗れたことで、
シティのリーグ3連覇が決定しました。
4月以降、
アーセナルのリーグ戦成績は3勝3敗3分け。
順位でみれば確実に勝ちたい相手にも
勝ち点を落とす試合が散見され、
シティとリーグタイトルを争うには、
チームとしての足腰がまだまだ弱い
と思わざるを得ない結果になりました。
サリバと冨安の負傷離脱により
守備の安定感を失ってしまったことで、
結果的に攻守のバランスを失ってしまったのが、
終盤の失速の大きな要因の1つ。
以下のtweetによれば、
19試合のリーグアウェー戦のうち、
サリバが出場した14試合では9失点・9つのクリーンシート。
一方、サリバが不在だった5試合では
9失点・1つのクリーンシートと、
サリバ不在の影響が指摘されています。
Arsenal away from home in the Premier League this season:
— William Hill (@WilliamHill) May 20, 2023
With Saliba:
📈 14 games
📈 9 goals conceded
📈 9 clean sheets
Without Saliba:
📉 5 games
📉 9 goals conceded
📉 1 clean sheet
What could have been…
主力選手の怪我はどのチームにとっても痛いものですが、
リーグ優勝を目指すのであれば、
それをカバーできる選手層の厚みや
戦術的な柔軟性が求められるという、
現在のプレミアリーグの競争の厳しさを物語るようです。
来シーズンに向けて、
終盤まで戦い抜くことができる総合的な「体力」を、
クラブとアルテタ監督のチームがどこまで身につけられるのか。
今シーズンの喜びと悔しさを味わったサポーターとしては、
その点に期待していきたいと思います。
トピック② アーセナルの今シーズンは失敗ではない、が…
シティの優勝が決定し、
アーセナルはCL出場がすでに確定しているため、
残りのウルヴズ戦は消化試合。
そんな中で、
今シーズンのアーセナルは決して失敗ではない、
という趣旨のコメントが多く観られます。
実際、当初のクラブの目標はCL出場権の獲得であり、
その目標は十分にクリアすることができました。
チームとしての完成度が予定よりも早く高まって、
リーグでも好調な戦いで首位を維持できただけに、
このチームにかける期待はどんどんと大きくなっていました。
その期待との落差が大きいだけで、
アーセナルのプロジェクト自体は着実に進んでいる。
3冠も視野に入る完成度のシティと
タイトル争いを演じるレベルになったのは、
本当に大きな成長だと思います。
ただ、目の前に優勝が見えていただけに、
サポーターとしてはやはり悔しい気持ちが大きい。
22-23シーズンはアーセナルの復活を告げる年だった、
後々にそう語られるかもしれませんが、
非常に悔しいシーズンだったことも忘れないでおきたいですね。
こうした悔しさの積み重ねが、
将来の喜びをより大きくしてくれると信じて、
これからの戦いを見ていければと思います。
トピック③ 残留争いのチームの強さ
この試合、フォレストは非常に粘り強い戦い方で、
アーセナルを最後まで苦しめました。
アーセナルが81.7%の支配率を誇りながら
最後まで得点を奪えなかった一方で、
フォレストは少ない決定機を決めきっています。
FWアウォニイは屈強な肉体で前線の起点となり、
ギブス=ホワイトは強さと巧さがハイレベルに共存し、
非常に手強いユニットでした。
残留という明確な目標に対して
チームとしての戦い方を整理できたフォレストと、
優勝の望みが薄く、
マルティネッリの負傷や陣形の修正によって、
戦い方に迷いが見られたアーセナル。
ジェズスを筆頭にアーセナルは個々の選手が
タフに戦ってはいたものの、
その対比が明確な試合でした。
残留争いの渦中にいる窮鼠を容赦なく喰らう、
アーセナルのタフネスの向上も、
来シーズンの注目ポイントです。
また、アーセナルが身を削って贈ったプレゼントのお返しを、
フォレストには来シーズンのどこかで期待しています。
現在の立ち位置と次の試合(日本時間)
プレミアリーグの順位
シティの優勝をエティハドでの
チェルシー戦で決めさせなかったのが、
アーセナルのせめてもの抵抗でした。
アーセナルサポーター的にはシーズンはおしまいですが、
CL権、残留争いは残り2試合目が離せない状態です。
具体的には、
かつてミラクルを起こしたレスターか、
プレミアリーグで降格経験のないエバートンか、
そのどちらかが来シーズンは2部で戦うことが濃厚。
プレミアリーグで戦い続ける難しさを
改めて感じさせます。
プレミアリーグ第38節 アーセナルvsウルブズ【5月29日(日)0:30 KO】
シーズン最後のホーム戦。
終わり良ければ総て良しの精神で、
勝利でシーズンを締めくくってほしいですね。
また、来シーズンに向けて
スカッドの大幅な刷新がささやかれています。
ラムズデールは契約を延長していますが、
レバークーゼン移籍の囁かれるジャカや、
契約交渉の難航するネルソンなど、
去就が不透明な選手が多々います。
この試合がアーセナルで最後になる選手も多いと考えると、
単なる消化試合というよりも、
もっと感傷的な試合になるかもしれません。
アーセナルファンにおすすめの書籍
現在のアーセナルの土台を築いた、
アーセン・ヴェンゲル。
彼の功績を知ることで、
アルテタ監督が率いる今のアーセナルを
もっと深く理解することができます。
アーセナルファンなら必読ともいえる書籍をご紹介しますので、
興味がある方はぜひ以下リンクより手に取ってみてください。
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