クリスタルパレス、レスター、ボーンマスと
開幕3連勝を飾ったアーセナル。
今節はマルコ・シウバ率いる
フルアムをホームに迎える。
そして、この試合はアーセナルを退団した
GKレノとの再会でもある。
この試合の前にシティ、リバプールが劇的な勝利を飾るなか、
アーセナルは4連勝をかけて試合に臨む。
2-1で逆転の4連勝となった試合結果はこちらッッ!!!
スタメン・試合結果は以下リンクから。
Read about Arsenal v Fulham in the Premier League 2022/23 se…
今節のアーセナルは、
ジンチェンコとトーマスがメンバー外となり、
ティアニー、エルネニーがスタメン。
ジンチェンコとトーマス抜きでの試合ながら、
アーセナルは大きくリズムを失うことなく、
ボールを保持して攻める戦い方を見せる。
しかし、フルアムの守備陣の健闘もあって、
決定的なチャンスが生まれる場面は少なく、
33分にサカが抜け出してゴールに迫ったシーンはレノによって阻まれる。
アーセナルは試合の主導権は握っているものの、
ゴールは決められず前半を0-0で折り返した。
後半に入ると、
54分に左サイドからジャカの折り返しを受け、
ジェズスがシュートを放つ決定機も再びレノが立ちはだかる。
そんな中、56分、アーセナルはビルドアップの中でボールを受けたマガリャンイスが、
ミトロヴィッチにボールを奪われ、フルアムの先制点を許した。
ボールを保持しながらも得点できなかった前半のあと、
自分たちのミスからの失点となったため、
これはアーセナルにとって非常に悪い流れだった。
これまでのアーセナルであれば、
そのまま悪い流れを断ち切れずに敗戦ということも多々あったが、
アルテタは失点のすぐあとで大胆な交代に出る。
61分、ティアニーに代えて、エンケティアを投入。
DFを減らして攻撃に出るというアルテタの策は、
ピッチ上の選手たちへの明確なメッセージだった。
それにこたえるように、64分、
ウーデゴールの2試合連続となるゴールが生まれる。
右サイドのサカの仕掛けから
ウーデゴールにパスがわたり、
彼のシュートがDFに当たってコースが変わって、
反応しきれなかったレノの手を掠めてのゴールだった。
3バックでサカやマルティネッリが
ポジションを頻繫に変える、
変則的なファイヤーフォーメーションでその後も攻め続けるアーセナル。
一方のフルアムも79分にディオプとムバブを投入し、5バックで逃げ切りを図る。
82分には左サイドを崩してのエンケティアのシュートチャンスが生まれるが、
これもレノがミスなくセーブする。
時間が無くなっていくなかで攻撃を続けるアーセナルに、ついに決定的な瞬間が訪れる。
マルティネッリの仕掛けから得た86分のコーナーキックで、
ハイボールのこぼれ球に詰めてマガリャンイスがゴールネットを揺らす。
VAR判定の結果でも得点は認められ、
フルアムの先制点につながるミスを犯したマガリャンイスが、
勝利をもたらす決勝ゴールを自ら決めて見せた。
歓喜に包まれるエミレーツで、アルテタは勝利を確実にすべく、
89分に冨安を左サイドバックとして投入。
ロスタイムにはホールディングも投入して、
DFラインに本職CBが5人並ぶという、
徹底的に勝ちに行く姿勢を示した。
ラムズデールのビッグセーブも光り、
アーセナルは見事に2-1の逆転勝利を飾った。
これにより、
アーセナルは唯一無傷の4連勝で首位をキープ。
開幕4連勝はクラブにとって18年ぶりの偉業となった。
アルテタの采配が光った逆転劇ッッ!!!
この試合、
アーセナルは今シーズンのプレミアリーグで初めて、
対戦相手に先制点を奪われる展開を迎えた。
その中でアルテタはなんとしても勝ちに行くという姿勢を示し、
そのメッセージをピッチ上の選手たちが見事に実現して見せた。
ティアニーを下げてエンケティアを投入するという交代は、
60分という時間帯、さらなる失点のリスクを考えると、
かなり思い切った決断だったと言える。
そのメッセージに応え、
安易なロングボールに走ることなく、
じっくりとフルアムを攻略した選手たちが素晴らしかったのはもちろん、
ホームスタジアムらしい圧力を生み出したサポーターたちの声援も素晴らしかった。
アルテタの決断と選手たちを後押しするエミレーツの雰囲気は、
ヴェンゲル監督の時代を思い出させるようだった。
ヴェンゲル以後、アーセナルはついに信じ切ることができる名将を見つけた。
采配も光るアルテタの下で、アーセナルがどこまでいけるのか、
ますます楽しみな新時代を迎えている。
レノとの対決ッッ!!!
アーセナルには、相手GKの神がかり的なビッグセーブによって、
何度も勝ち点を落としてきた歴史がある。
この試合の前にも、
レノがアーセナルの前に立ちはだかるのでは?
という懸念の声が上がっていたようだ。
実際、アーセナルは逆転勝利を収めこそしたものの、
レノのビッグセーブにはかなり苦しめられた。
レノが不得意だったハイボールの競り合いから決勝点が生まれたが、
もしそれが無くフルアムが勝ち点を得ていたら、
この試合のレノのプレーは称賛されていたはずだ。
さすがのレノだったというほかはない。
アーセナルを去った選手とはいえ、
レノがツェフの後にアーセナルを支えた功労者であることは間違いないし、
フルアムでも高いパフォーマンスを示しているのはうれしい。
レノの新天地でのさらなる活躍、
アーセナル戦以外でのビッグセーブ連発をぜひとも期待したい。
現在の立ち位置と次回対戦ッッ!!!
岩渕真奈らアーセナル女子チームが観戦に来たり、
マガリャンイスのゴールに駆け寄って乱入者と間違われそうになるジンチェンコだったり、
喜び駆けまわるサリバだったり、
見どころの多かったこの試合。
アーセナルはこれで無傷の4連勝。
シティがクリスタルパレスのハーランドのハットトリックで逆転勝ちし、
ブライトンがリーズとの上位対決を制したなかで、
アーセナルも見事な逆転勝ちで首位キープに成功。
本日(8/28)深夜に試合を迎えるスパーズ、ニューカッスルを含めると、
ここまで無敗なのはアーセナル、シティ、ブライトン、スパーズ、ニューカッスルの5チーム。
9月に入るとCL・ELのグループリーグもスタートし、
試合日程も厳しさを増すため、無敗を維持するというのは容易ではない。
だが、次節(9/1)に迎える相手は、3試合を終えて勝ち点3にとどまっているアストンビラだ。
監督はあのスティーブン・ジェラードだが、
第2節でエバートンに勝利しているものの、
開幕節ではボーンマスに、第3節ではヴィエラ率いるクリスタルパレスに敗戦しており、
ここまでの評価は決して良くない。
開幕5連勝となれば、
2004ー2005シーズン以来の快挙となる。
その次に控えるオールド・トラッフォードでのユナイテッド戦に向け、
さらなる弾みがつく勝利を期待したい。