アーセナルの試合を毎節レビュー
当記事をお読みいただきありがとうございます。
このブログでは、
ヴェンゲル政権末期からのグーナーが、
プレミアリーグでのアーセナルの試合結果を
毎節レビューしていきます。
忙しくてなかなか試合をフルで観られない人でも、
この記事を読むだけで
アーセナルのトピックスがフォローできますので、
ぜひご一読ください。
今回の試合は、
2022-23シーズン・プレミアリーグ第30節、
リバプールvsアーセナルです。
第30節の試合結果
スタメン・試合結果詳細は以下リンクから。
Read about Liverpool v Arsenal in the Premier League 2022/23…
タイトルを争うアーセナルは、
前節リーズを下して7連勝と好調。
一方のリバプールは8位に沈んでいるものの、
2012年9月以来アーセナルはアンフィールドでの勝利がありません。
まさに鬼門といえるスタジアムでの一戦を、
栄光に向かう重要な一歩、
そして負の歴史に打つ終止符とすることができるか。
ヒルズボロの悲劇への黙祷がささげられたのち、
いよいよ試合が始まります。
前半
ボールを持つアーセナル、
高い位置からプレッシャーをかけるリバプール。
そんな構図で始まった試合は、
開始8分に動きを見せます。
サカとウーデゴールのワンツーを狙ったボールが、
ファン・ダイクに当たって中央のマルティネッリの足元へ。
アーノルドのプレッシャーを受けながらも、
マルティネッリがなんとか決めきって、
アーセナルに貴重な先制点をもたらしました。
ここからはリバプールも鋭い攻撃を見せ、
互いに攻め合うハイレベルな展開が続きます。
そうした中で28分、
アーセナルはジャカのスルーパスに
左サイドのマルティネッリが抜け出すと、
そのマルティネッリからの正確なクロスに、
ジェズスがヘディングで合わせてネットを揺らしました。
0-2とリードが広がりますが、
アーノルドとジャカの小競り合いが発生すると、
スタジアムはヒートアップ。
これで勢いを得たかのように、
リバプールは42分に1点を返します。
ロバートソンのクロスをエリア内中央のヘンダーソンがそらし、
そこにサラーが合わせてのゴールでした。
スタンドからの圧力が一気に増し、
ここがアンフィールドであると再認識させられる雰囲気の中で、
前半は1-2とアーセナルがリードを保って終了します。
後半
アーセナルは後半を冷静に迎えて
試合を進めていきますが、
52分に大きなピンチ。
CKの流れからのジョタへのホールディングの接触に、
主審のポール・ティアニーが
PKの判定を下します。
決まれば同点という重要な場面、
サラーの左足のキックは枠を外れ、
アーセナルは幸運にも事なきを得ました。
60分にリバプールは2枚替えで、
ジョーンズに代わってチアゴ、
ジョタに代わってヌニェスを投入します。
そこからは両チームともゴールに迫りながら、
得点が生まれない均衡した時間が続き、
先に動いたのはリバプール。
78分にファビーニョに代えて、
アーセナルキラーのフィルミーノを起用します。
一方のアーセナルは、
80分にジェズスに代わってトロサール、
ウーデゴールに代わってキヴィオルを投入しました。
交代直後の81分には、
ヌニェスとの1対1をラムズデールがビッグセーブ。
このまま試合を終わらせたいアーセナルですが、
87分にアーノルドがジンチェンコを突破してあげたクロスに、
エリア内のフィルミーノがヘディングで合わせ、
痛恨の同点弾を決められます。
その後ジンチェンコからティアニーへの交代があり、
試合はアディショナルタイムへ。
95分にはサラーのシュートを、
その直後にはヌニェスのヘディングからのコナテのボールを、
ラムズデールがこの試合再三のビッグセーブを見せます。
白熱した試合は2-2の痛み分けとなり、
タイトルレースの緊張感が一層増す展開となりました。
試合のトピックス・注目ポイント
トピック① 鬼門・アンフィールドでのドロー
アンフィールドでは、
アウェーチームの選手たちは常に、
ピッチ外からの圧力を受け続けます。
サポーターは12人目の選手という言葉もありますが、
このスタジアムほどこの言葉を体現している場所はないでしょう。
まさに「You’ll Never Walk Alone」です。
この試合、アーセナルは2点のリードを奪う
素晴らしい立ち上がりを見せましたが、
ジャカとアーノルドの小競り合いによって、
スタジアムは一気にリバプールを後押しする雰囲気になりました。
選手だけでなくレフェリーにも容赦なくその矛先は向けられ、
主審のポール・ティアニーも、
その雰囲気の中で試合のコントロールを失っています。
そこからリバプールに1点を返され、
最終盤にフィルミーノのゴールを許してのドローとなったのは、
アンフィールドで最も警戒しなくてはいけないのは12番目の選手、
そのことを痛感させられる結果でした。
アルテタとクロップの激しい口論を契機に
アンフィールドが噴き上がって、
結果的に4-0での敗戦を喫した2021年の対戦も思い出されます。
一方で、鬼門アンフィールドで2点を先制し、
スタンドからの圧力を受け続けながらも
逆転を許さなかったというのは、
今シーズンのアーセナルのメンタリティーの成長の表れです。
リーグテーブル上はもちろん勝ちたかったところですが、
次戦に向けて選手たちの気持ちが挫けることはないはずです。
トピック② アルテタ監督の采配について
80分のアルテタの采配は、
裏目に出る結果となってしまいました。
ウーデゴールとキヴィオルを交代する
アルテタのこの采配は、
残り時間を考えれば決して間違ったものではありませんが、
ウーデゴールが下がったことで、
前からのプレスがかかりにくくなったこと、
守りに行くというメッセージングになってしまったことが、
結果的にはチームにマイナスの影響を与えてしまいました。
また、まだチームに馴染んでいるとはいえないキヴィオルを
この場面で起用したことも、
かなりリスキーな判断でした。
実際、ラムズデールのビッグセーブがなければ、
逆転負けもあり得たのではと思います。
若手選手を信じて重要な場面でチャンスを与えるのは、
アルテタ監督の哲学でもあり、
ヴェンゲルイズムでもあり、
今のクラブの躍進の要因でもあるので、
非常に悩ましいところではあります。
ほかには、リバプールが選手交代で先手を打ってきたのに対し、
アーセナルの最初の交代は80分で、
トロサールをもっと早く投入してもよかったのではという点。
ジェズスもマルティネッリも好調で、
どのタイミングでトロサールを入れるべきかは
かなり難しい判断ですが、
1つの采配が優勝を左右する局面ですので、
アルテタ監督の采配には一層の重圧と注目が集まります。
トピック③ タイトルレースの行方は…
リバプール戦でのドローを受けて、
1試合少ないシティとの勝ち点差は6p。
シティとの直接対決も日本時間4月27日に待っていて、
タイトルレースはいよいよ熾烈を極めています。
アーセナルとシティの残りの対戦相手を整理すると、
以下のようになります。
アーセナル | シティ |
ウェストハム(A) | レスター(H) |
サウサンプトン(H) | アーセナル(H) |
マンチェスターシティ(A) | フルハム(A) |
チェルシー(H) | ウェストハム(H) |
ニューカッスル(A) | リーズ(H) |
ブライトン(H) | エバートン(A) |
ノッティンガム・F(A) | チェルシー(H) |
ウルヴズ(H) | ブレントフォード(A) |
ブライトン(A)※日程未定 |
アーセナルは降格争いの渦中にあるウェストハムや、
強敵ニューカッスルなど、
手強い対戦相手を残している状況です。
一方のシティはアーセナルよりも与しやすい試合ですが、
FAカップとCLの試合が残っており、
試合数の多さが敵になります。
どちらに転んでもおかしくない状況で、
1試合1試合が決勝戦の、
本当に痺れるようなシーズン終盤です。
アルテタと選手たちを信じて、
毎試合を楽しみにしていきたいと思います。
現在の立ち位置と次の試合(日本時間)
プレミアリーグの順位
ラムズデール神の大活躍により、
リバプールとドローに終わったアーセナル。
混迷チェルシーの監督がフランク・ランパードになったり、
エメリのアストンヴィラが6位まで来ていたり、
プレミアリーグは話題に事欠かない盛り上がりを見せています。
その中で優勝を目指して戦うアーセナルは、
血で血を洗う降格争いにあるチームとの対戦が続きます。
プレミアリーグ第31節 ウェストハムvsアーセナル【4月16日(日)22:00 KO】
現時点で勝ち点30の14位につけるウェストハム。
デクラン・ライスやルーカス・パケタなど、
有名選手も数多く所属していますが、
今シーズンは苦戦が続いています。
モイーズ監督の解任も取りざたされているなか、
直近ではフルハムに0-1と勝利を挙げ、
降格だけは回避したいと決死の戦いを挑んでくるはずです。
非常に難しい試合となることが予想されますが、
アーセナルも勝ち点を与える余裕はありません。
プレミアリーグ第32節 アーセナルvsサウサンプトン【4月22日(土)4:00 KO】
ウェストハムの次に待つのが、
現時点で最下位のサウサンプトン。
セインツはウォルコットがいるほか、
メイトランド=ナイルズがレンタル移籍していますが、
直近のリーグ戦は5戦で2分け3敗という結果になっています。
2012-13シーズンに久しぶりに昇格して以降、
プレミアリーグで戦い続けてきたセインツ。
現在は凋落の感は否めませんが、
まだまだ残留の可能性を残しており、
アーセナル相手にも勝ち点が欲しい状況です。
当然、アーセナルにセインツを救う義務はありませんので、
必要なのは勝ち点3のみです。
アーセナルファンにおすすめの書籍
現在のアーセナルの土台を築いた、
アーセン・ヴェンゲル。
彼の功績を知ることで、
アルテタ監督が率いる今のアーセナルを
もっと深く理解することができます。
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